2018年6月18日に発生した「大阪北部地震」で高槻市の寿栄小学校のブロック塀が倒壊し、女児が亡くなった事故について、
「違法の認識「はなからなかった」ブロック塀点検担当者」
という見出しの記事を朝日新聞が報じていました。(2018年6月22日付)
この記事によると、(記事を引用一部編集)
◆高槻市教育委員会は、3年前に危険性を指摘されていた
◆簡易な点検だけで「問題なし」と判断していたことを認め謝罪した
◆倒壊した塀の危険性については、2015年11月に小学校で講演会が開かれた際、招かれた防災アドバイザーが指摘していた
◆田中良美校長から高槻市教育委員会に点検の依頼があり、2016年2月に市教委の職員が田中校長らの立ち会いのもとで点検を実施した
◆この点検は学校に別の用件で職員が訪れた際に実施したに過ぎなかった
◆樽井教育長は「日常的な点検ということで認識が甘かった」と反省した
◆点検は目視や金属製の棒を使ってたたくことで、劣化の度合いを確認するのが主だった
◆樽井教育長は「浮きやひび割れがなく問題がないと判断した」と説明した
◆高槻市教育委員会によると、市内の59小中学校の建物の点検は3年に一度の法定点検のほか、学校側からの依頼に基づいて日常的に実施していた
◆小中学校の老朽化が進んでいて、年間1千件以上の依頼がある
◆(寿栄小学校の)2年前の点検結果は市教委内で共有されず、記録にも残されなかった
◆倒壊した塀には建築基準法施行令で設置が義務づけられている補強のための「控え壁」はなかった
◆点検を担当した建築職の職員は「建築基準法に違反しているという認識は、はなからなかった」と話した
ということのようです。
上記報道から問題のポイントを整理すると、
・学校から依頼があった場合の日常点検は記録が作成されていなかった
・日常点検結果は、教育委員会内で情報共有されていなかった
・教育長はこの塀の危険性が外部から指摘されていたことを知らなかった。
・教育委員会の建築職の担当職員は、建築基準法施行令違反であるという認識がなかった
といったことが上げられます。
また、他のメディアの報道だと、建築職の担当職員は、建築士等の国家資格を持っていなかったという。
こうした点から考えると、少なくとも、
「日常点検の記録と問題点の情報共有と管理」
「建築職の職員に必要な力量の明確化と配置」
という点に関しては、早急にマネジメントシステムを改善する必要があります。
また、「市内にある59の小中学校から年間約1000件の点検依頼がある」ということから、
◆各学校の施設・設備に関する「カルテ」の作成
◆1000件の点検依頼について、築年数別、修理箇所内容などによるデータ分析
◆データ分析結果に基づくインフラの補修・改修計画の効果的な管理
といった仕組みを構築する必要があると考えます。
それにしても、こうして今回のブロック塀の倒壊を振り返ると、「思いかげない不慮の事故」ではなく「人災」です。
週刊誌報道などによると、近隣住民からも学校には、ブロック塀が道路側に傾いていて危険であることが学校側に伝えられていたという話もあり、「危険性が高いゆゆしき問題なのに、数ある点検依頼のひとつ」として高槻市教育委員会が捉えていたのだとすれば、大問題です。
ただ、私が教育委員会の担当部局の管理職だったとして、「しっかり対応できていたか」と言われれば、微妙です。
こうしたことが起きにくくするために「マネジメントシステムの確立」が必要なわけです。
月並ですが、「マネジメントシステム」(仕事の仕組み)は、問題点が発生した時はもちろん、時代の変化とともに、常に見直しが必要です。
日常的なマネジメントシステムの監視方法のひとつとして「内部監査」があります。
しかし、私の経験上、役所における内部監査は「決められたことが実施されているかどうか」、つまり、「現状ルール通りの実施の再確認」に留まっていて、現状ルールの見直しという点に踏み込めていません。
今回のケースでいえば、「日常点検する建築職職員に備わっているべき力量や保有すべき資格が明確ではなく、また適切でなかった」ということになるのですが、おそらく、内部監査を教育委員会内で実施しても、そういう観点で指摘は出なかったかもしれません。
こうした点を鑑みて私は、
《公共施設におけるアセットマネジメントシステムの導入》
《効果的な内部監査の実施》
を提言したいと思います。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ600号より)
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