食品安全に関するマネジメントシステム規格である「ISO22000」が2018年6月19日に改訂版が発行されました。(ISI22000:2018)

現在の版が2005年版なので、13年ぶりの改訂です。

 

改訂の要点は以下の点です。

1)MS規格共通様式(HLS:High Level Structure)の適用

2)リスクに基づく考え方

3)2つのレベルのPDCAサイクル

4)管理手段の定義の変更

5)外部で開発されたFSMSの要素

6)外部から提供されるプロセス、製品、サービスの管理

7)法令・規制要求事項の整理

 

気になる点を簡単に備忘録代わりにまとめておきます。

 

《2つのレベルのPDCAサイクル》

 

「組織の計画及び管理のPDCA」

PLAN(FSMS)

4.組織の状況

5.リーダーシップ

6.計画

7.支援(外部から提供されるプロセス、製品又はサービスの管理を含む)

 

DO(FSMS)

8.運用

 

CHECK(FSMS)

9.パフォーマンス評価

 

ACT(FSMS)

10.改善

 

「運用の計画及び管理のPDCA」

PLAN(食品安全)

PRPs

トレーサビリティシステム

緊急事態への準備対応

↓

ハザード分析

↓

管理手段の妥当性確認

↓

ハザード管理プラン(HACCP/OPRPプラン)

↓

検証計画

 

DO(食品安全)

計画(食品安全)の実施

モニタリング及び測定の管理

製品及びプロセスの不適合の管理

 

CHECK(食品安全)

検証活動

検証活動の結果分析

 

ACT(食品安全)

初期情報並びにPRP及び

ハザード管理プランを

規定する文書の更新

 

《追加された用語の定義》(一例)

3.1許容水準(acceptable level)

組織(3.32)によって提供される最終製品(3.15)において,超えてはならない食品安全ハザード(3.22)の水準

 

3.2処置基準(action criterion)

OPRP (3.31)のモニタリング(3.28)に対する測定可能な又は観察可能な基準

 

3.18食品(food)

消費されることが意図された加工済み,半加工済み又は生のあらゆる物質(材料)で,飲料,チューイングガム及び“食品”の生産,調製又は処理で使用されてきたあらゆる物質を含むが,化粧品又はたばこ若しくは薬品としてだけ使用される物質(材料)は含まない

 

3.36プロセス(process)

インプットをアウトプットに変換する,相互に関連する又は相互に作用する一連の活動

 

3.40重要な食品安全ハザード(significant food safety hazard)

ハザード評価を通じて特定され,管理手段(3.8)によって管理される必要がある食品安全ハザード(3.22)

 

※個人的には「プロセス」の定義が少し気になります。

品質マネジメントシステム規格(ISO9001)では、プロセス(process)は、「インプットを使用して意図した結果を生み出す,相互に関連する又は相互に作用する一連の活動」となっています。

つまり「意図した結果を生み出す・・・」がISO22000ではありません。

規格要求として「プロセスの監視」や「検証結果の分析」などがありますが、常識的に考えれば「意図した結果を生み出す・・・」のプロセスのことと思いますが、用語の定義通り解釈すれば、意図しない結果、例えば、廃棄物の監視や検証結果の分析も必要になってしまいます。もちろん、実務としては、程度問題ではあると思いますが、規格解釈の上では注意が必要です。

 

《「オペレーション前提条件プログラム」の定義の変更》

2018年版では、「PRP」が削除され、CCPの「許容限界」に相当する「処置基準」が設定された

 

《管理手段》

「管理手段」は重要な食品安全ハザードに対してのみ適用され、CCPとOPRPからなる

 (PRPは「管理手段」ではない)

 

その他に、Annex SL(付属書SL)部分は、品質や環境同様に変更になっていますが、上記点については、意識しておくことが重要ですね。

ISO22000を導入している組織がどのように2018年改訂版規格を適用させていくか注目です。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ598号より)

 

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