トヨタ自動車の外国人副社長の年俸が10億円を超えているそうです。
(2018年6月25日付朝日新聞)
報道によると、
◆ディディエ・ルロワ副社長の役員報酬は10億2600万円
◆昨年の1.5倍で、10億円超えの役員報酬は、トヨタの役員で初
◆トヨタによると「優秀な人材の確保のため」
◆(ルロワ副社長の役員報酬は)3億8千万円だった豊田章男社長の3倍近くにのぼった
◆連結子会社分を合わせ、報酬が1億円を超えた役員は5人
◆ルロワ氏の内訳は、基本報酬1億9900万円と賞与7億1600万円、会長を兼務する欧州トヨタからの報酬を加えて10億円を突破
だそうです。
「優秀な人は成果に応じた報酬をいただく」
ことは、資本主義の世界において当たり前ですが、なんともうらやましい限りです。
ただ、一般庶民からしたら、一生手にすることがない報酬額なので、「ひがみ」に聞こえてしまうかもしれませんが、「会社は誰のもの」という議論から捉えると、「もらい過ぎ」な感じもします。
・創業社長で株式が上場していて、大株主である
・創業者一族で大株主である
場合は、保有株式の売却や株主配当で大金持ちになるのは、当然です。
しかし、「雇われ役員」の場合、トヨタ自動車に限った話ではありませんが、「報酬の仕組み」として、「何億もの役員報酬を得る」ことは、個人的には、奇異に感じます。
よく、
「大企業の役員は付き合いが多いから、交際費込みの報酬だ」
「株主代表塑訴訟があった場合、責任を追うからそれに対する報酬だ」
という議論もあります。
しかし、「会社は誰のもの」という議論で考えると、一般的には、
・株主
・社員
・顧客
などが考えられます。
また、会社のために働く関係者も「会社の所有者」ではありませんが、大きく会社に貢献していますし、地域社会の理解があって事業活動をしているとすれば、社会も会社に貢献しています。
つまり、「会社が得た成果の還元は役員」ではなく、こうした関係者に還元するのが本来の考え方ではないかと思います。
ちなみに、ルロワ副社長は、販売担当役員だそうなので、成果が測定しやすいので、「賞与」に反映されやすいと思います。
ただ、その「販売成果」も、ルロワ氏ひとりの力ではないわけで、「7億以上の報酬が妥当」なのだろうか、と思います。
よく、高騰している役員報酬額について、「優秀な人材確保」を理由にしていますが、「相場観」と一緒で、「大企業ならこのぐらい」と世界中の経営陣が勝手に決め、それがスタンダードになり、「雇われ経営者市場での役員報酬額」になっただけのような気がします。
トヨタ自動車の広報は、
「国や地域ごとの報酬水準のバランスを含めた総合的な判断」
とプレスからの問い合わせに回答しているようですが、「具体的な根拠を示せ」と外部から言われても、明確な基準もないあいまいなものでしょう。
歴史的に、トヨタは現場改善や生産性向上について、優れた結果を出している大企業ですが、そうして得られた利益が、こんな形で一部の上層部に還元されているのは、トヨタ車ユーザーのひとりとしては、なんだかなぁ、と感覚的かつ感情的に感じるニュースです。
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