「日本レスリング協会副会長で至学館大の谷岡郁子学長(64)が6月17日に、全日本選抜選手権会場の東京・駒沢体育館で会見を開き、栄和人監督(57)を解任する」
と発表したことが各メディアから報じられています。
栄元監督は、数日前の全日本選抜選手権が開催される直前に、谷岡学長から、現場復帰を明言されたばかりであったはずだ。
世間とマスメディアは、レスリング協会の強化委員長を辞任したばかりで、復帰は早いのではないか、と非難していた矢先の解任劇だけに「谷岡学長は、なぜ、急転直下の解任を命じた」のか、さっぱりわからない。
復帰後のインタビューで、谷岡学長は、インタビューしてきた記者に対して、恐ろしいほどの満面の笑みで「アスリートファーストですから」と回答していた。
つまり、谷岡学長は、至学館大学で練習している現役選手やOG選手から「栄氏を現場に戻してほしい」という要望が強くあり、それに応えたことが「早期の現場復帰理由」としていたわけです。
この急転直下の解任劇に対して、谷岡学長は、
◆東京五輪へ向けての新しい道に、一人ついて来られない人がいたと思わざるを得ない
◆(謝罪)会見後、数日の様子を見ていたが、反省できていなかった、全く期待外れでした
◆セコンドとして選手と共に戦うよう栄氏に伝えたが、聞き入れられなかった
◆14日は至学館大応援席で、タレントの千原せいじと並んで観戦していた
◆会見が終わって何時間もたたぬうちに、芸能人の方と並んで(談笑)していた
◆2日目(15日)は試合中に友人(せいじ氏)と昼食を食べに出た
といったことを、解任理由に挙げていた。
しかし、こうした理由だけを聞くと「谷岡学長の意に添わなかった=反省ができていない」という判断であり、「アスリートファースト」といっていた発言は何だったのだ?!と感じます。
例えば、
・選手が、マスコミに注目されている栄氏が現場にいると練習や試合に集中できない
・栄氏の指導は精神面中心で技術論が足りない
・栄氏の指導では、強くなれない
・相変わらず栄氏は特定の選手をえこひいきし、暴言も吐く
・全日本選抜選手権で結果が出なかった
といった状況が生じていれば、「急転直下の解任」も、「なるほど」となります。
けれども、谷岡学長の会見を聞く限り「自分の意にそわない行動を取っており失望した」という理由にしか聞こえない。
また、もっと打算的な捉え方を谷岡学長がしたとしたら、
「栄氏の現場復帰に対して予想以上に世間の風当たりが強かった」
ことが上げられるのかもしれません。
また、至学館大学副学長である吉田沙保里氏は、栄氏の解任に対して、
「仕方がない。レスリング部、至学館を守るには仕方がない判断だと思う」
と口にしたと伝えられている。
このことから想像すると、
◆栄氏のセクハラ、パワハラ問題で有力な選手をレスリング部へスカウトしにくくなった
◆至学館大学への入学志望者が激減している
というデータが上がってきていて
「大学経営に対して、栄氏の現場復帰は、マイナス材料である」
「吉田沙保里氏を後任監督とすることで大学のイメージ回復に舵を切った」
という谷岡学長の本音が見える気がします。
大学全入時代に入り、地方の小規模大学は、際立った特徴を出さない限り、経営が成り立ちません。
学生は、学生生活はもちろん、卒業後の進路も重視しますので、「至学館=パワハラが横行し、就職にも不利だし、アスリートとしても強くなれない」というイメージが広がる前に傷口を閉じたかったのではないかと思います。
栄氏は、テレビで見る通り、
・熱血漢指導者
・性格は本質的には悪くない人
だと思います。
つまり、教え子たちが結果を出して、旧中京女子大、至学館の知名度が上がれば、谷岡学長としては「しっかり役割を果たしている重要な駒」だったわけです。
しかし、その機能を果たさなくなった今、「必要のない人」となったわけです。
そういった観点で考えていくと、私は「吉田氏は、近々、引退発表をするのではないか」という予想をします。
レスリング部の新指導者(監督)として「大学の顔」に吉田氏がなることを内諾したことで、谷岡学長は「栄氏を切り、レスリング部と大学の未来を吉田氏に賭けた」のではないかと思うのです。
今後の吉田氏の動向に注目したいと思います。
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