1966年に静岡県清水市(現在静岡市)で一家4人が殺害された事件で、死刑が確定した元プロボクサーの袴田巌さん(82)の再審請求を認めない決定が、東京高裁で2018611日に出されました。

 

詳細は各メディアが伝えているので省きますが、袴田さん本人はもちろん、実姉さんや弁護団、支援者の方々の心中を察すると、残念でならない。

 

決定を出した東京高裁の大島隆明裁判長は、2014年に再審開始を認めた静岡地裁決定の最大の根拠となったDNA型鑑定について、

「手法に疑問があり、結果も信用できない、証拠の評価を誤った」

として地裁決定を取り消した。

 

そして、

「実験で使われたみその色は、正確に再現されたものではない」

「捜査機関が捏造する動機は見いだしがたい」

として、

「(袴田さんを)犯人とした確定判決の認定に合理的な疑いが生じていないことは明らかだ」

と結論づけたのだ。

 

焦点になったのは、筑波大学の本田克也教授による鑑定結果。

再審請求では、みそタンクから見つかったシャツにあった血痕から、「袴田さんと別人のDNA型が検出された」という本田教授の鑑定結果が信頼できるものでないとしたことです。

要は、静岡地裁が再審開始を判断した材料を全て覆したわけです。

 

大島裁判長(2019年に定年で退官予定)は信念に基づいているのかもしれませんが、客観的には、警察、検察を含めたメンツが守られたわけですし、袴田さん側の国家賠償請求も退けることになったわけです。

つまり、刑事裁判の原則である「疑わしきは罰せず」(推定無罪)は無視されたわけです。

変な勘繰りはいけませんが、袴田さんは認知症が始まっているとされ、袴田さんの死を待っているような気がしてなりません。

 

ただ、東京高裁は、再審は認めないにもかかわらず、年齢、認知症の度合い、体調などを勘案して、「収監はしない」という判断をしたという。

弁護側は、最高裁に特別抗告されるようですが、日本の裁判は、上に行くほど保守的で、世間の感覚とずれていきます。

繰り返しますが、袴田さんと関係者の無念を考えると胸が痛みます。

 

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