2018年5月29日付の時事通信が
「レオパレス21法令違反の疑い 3万棟調査」
という見出し記事を報じていました。
記事によると(以下要約)
◆レオパレス21は5月29日に、賃貸アパートで建築基準法違反の疑いがある施工不良が見つかったと発表した
(※1996年から2009年にかけて施工されたアパートで、既に埼玉や大阪など12都府県の38棟で問題が確認されており、速やかに補修を行う予定)
◆これまで12都府県で屋根裏に延焼や音漏れを防ぐ壁が設置されていないことが確認された
◆2019年6月までに国内全3万7853棟を対象に調査を進める
◆施工不良が判明した場合は補修を行う
◆レオパレス21によると、建築図面や施工マニュアルの一部に問題の壁が記載されていなかった
◆これらの不備は、社内検査体制が不十分だったことが原因
◆田尻和人専務は施工管理責任を認めて陳謝した
◆田尻専務は、「コスト削減や工期短縮を狙った意図的な手抜きではない」と説明した
そうです。
レオパレス21は、確か1989年に上場しましたが、このころから急激に、レオパレス21の賃貸アパートが日本中に増えていった気がします。
仕事柄、建設会社に訪問する機会も多いですが、一般論として、
・急激に業績が伸びたときに問題は発生する
・利益至上主義になると、施工不良が増える
・建物の見えない部分は手抜き工事になりやすい
といった問題点がでてきます。
その原因の一つは「工期短縮主義」でしょう。
本来、建築物は、構造物の品質で勝負するべきものですが、発注者の受注量が急激に増えると、どうしても「工期」が優先事項となります。
そのため、施工業者に負担はのしかかり、暗黙のうちに、手抜き工事が横行していくわけです。
また、仕事が増えると、技術力のない職人も多く使わざるを得なくなり、意図的でなくとも、施工品質は下がっていきます。
レオパレス21のウェブサイトをチェックすると、
平成30年5月29日付のニュースリリースとして
「当社施工物件における界壁工事の不備について」
と題したお詫び文が公表されていました。
http://www.leopalace21.co.jp/news/2018/0529_2507.html
謝罪文の必須事項と言われる「社長限界でしょ」で内容をチェックすると、「処分、賠償」に関する記述が弱いです。ただ、個別に連絡するとあるので、賠償に関しては、程度に応じて、お見舞金などが設定され、対象者に通知されるのかもしれないので、「処分」についての記載はないものの合格点をつけられる謝罪文といえるでしょう。
謝罪文の中で興味深かったのが、「原因」と「再発防止」です。
以下に一部、引用してみます。
(以下、引用)
(前文略)
2.発生原因
・図面と施工マニュアルの整合性の不備
当時、物件のバージョンアップが頻繁に行われており、建物の仕様が分かりにくくなっていたことや、施工業者に渡している図面と施工マニュアルの整合性に不備があったことが確認されております。
・社内検査体制の不備
検査は行ってはいたものの、規格商品であることから図面等と現場との照合確認が不十分であったことと、検査内容も自主検査に留まっており、社内検査体制も不十分であったと認識しております。
引き続き調査を行い、発生原因の究明に努めてまいります。
3. 現在の検査体制と更なる再発防止策
組織及び現場人員体制の見直しを行い、2008年にはISO 9001の認証を取得致しました。
以降、順次体制強化を図り、本部によるチェック体制を整えております。
現在では9回の社内検査に加え、第三者による検査を4回行い、品質管理に努めております。
発生原因について十分に究明を行ったうえで、更なる再発防止策を講じる所存です。
(後略)
(引用ここまで)
感想としては
「発生原因の究明が現時点では“現象”にとどまっている」
と感じました。
なぜ、
・図面度施工マニュアルに不備が生じたのか
・図面と現場との照合確認が不十分になったのか
・社内検査体制が不十分になったのか
といった点を深く究明しなければ、真の意味での「再発防止策」とはなりません。
また、謝罪文にもあるように、レオパレス21(注)は、2008年11月27日に品質マネジメントシステムの国際規格であるISO9001の認証を受け、現在は2015年版の取得を世界的に著名な認証機関のひとつである「ビューローベリタスジャパン株式会社 システム認証事業本部」(BVサーティフィケーション)で認証を継続しています。
注:レオパレス21の認証登録範囲
「株式会社レオパレス21 建築請負事業部 建築統括部 ・ コーポレート業務推進本部 商品技術統括部」
2017年の日産自動車や神戸製鋼の検査不正問題以降、認証機関にお墨付きを与えている認定機関のJAB(公益財団法人日本適合性認定協会)は、社会的な問題となった不祥事が発生した場合、当該組織を認証している認証機関にその経緯説明と認証に関する対応策を報告させることをより徹底しています。
基本的には、認証機関が、自らの認証の信頼性と妥当性を社会に対して証明することが求められます。
ただ、社会システムとして、ISOマネジメントシステム認証の信頼性向上のためにも、認証機関はもちろん、認定機関も中途半端にこの問題の「終結」をして欲しくないと思います。
今後のBVやJABの調査報告を注視したいと思います。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ596号より)
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