2018年5月25日付の朝日新聞によると、
「三菱自動車が2016年以降、岡崎製作所(愛知県)で受け入れたフィリピン人技能実習生65人のうち33人を、実習内容とは異なる仕事の現場で働かせていた」
と報じていました。
記事によると、
◆法務省は技能実習適正化法に違反する不正行為の疑いがあると判断
◆法務省は、外国人技能実習制度を共に所管する厚生労働省と調査する予定
◆33人は溶接技能の習得が目的で、4次にわたって受け入れた
◆しかし、車体の組み立てや、実習計画より簡易な溶接を日常的にさせていた
◆技能実習制度では習得度合いの試験ができる作業を実習対象としている
◆33人の作業は技能実習に該当しない業務であった
という。
問題の発覚は、2018年1月に、実習生の紹介を受けた「協同組合フレンドニッポン」から、「仕事の中身に問題がある」と、三菱自動車岡崎製作所の担当者に指摘があったそうです。
つまり、岡崎製作所の担当者は、「技能実習適正化法」をしっかりと理解していなかったことになります。
また、記事では、
「岡崎製作所にはそもそも実習に見合った溶接職場はほとんどないのに、国側に溶接実習の計画を出していた」
とあるので、「誤解」ではなく「意図的」の可能性があると個人的には思います。
岡崎製作所の業務に「技能実習制度の対象ではない簡易の溶接作業」があるから、「溶接実習計画」を提出して、実習生にやらせてしまおう、という意図が少なからずあったように感じます。
それにしても、2年近くも、社内で問題が認識されなかったのはどういうことでしょうか?
私は、内部監査の仕組みに問題があるとにらんでいます。
岡崎製作所内の要員で内部監査を実施していたのであれば、技能実習制度の担当者以外、この制度に熟知していなければ、「コンプライアンス違反」に気づかなかったかもしれません。
しかし、本社部門の要員(CSRや法務部門)を加えた内部監査なら、今の時代ですから、外部から指摘される前に、すぐに自社で「技能実習制度に違反した要員配置」に気づいた気がします。
また、三菱自動車岡崎製作所は、ISO14001の認証を日本自動車研究所で取得しています。
したがって、おそらく、法規制一覧表などを作成し、該当法規制等の順守状況を監視する制度はあったでしょうし、第三者審査も受けていたので、これらのプロセスも有効に機能していなかった恐れがあります。
品質マネジメント(ISO9001)の認証ではありませんが、認証している日本自動車研究所が、どのような対応を三菱自動車に対して実施するのか、動向を注視したいと思います。
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