以前、大手電機メーカーのマネジメントシステム監査を担当したことがあった。
購買部門の目標は、数千社ある協力業者を数百社に絞り込むことと協力会社の製品・サービスの質を上げることが掲げられていました。
塗装、メッキ、熱加工、部品製造・・・などの業者は、各カテゴリーごと何社もあり、経営、品質、価格、安全などのいくつもの評価項目がありました。
また、月単位で納入実績が評価され、供給する製品・サービス群が同じカテゴリー同士では、協力業者のランキングが付けられていました。
このように、大手企業が協力業者を管理する場合は、たくさんの協力会社の中から優秀な会社を選別すればいいのです。
逆に言えば、選別しなければ、協力業者の会社のレベルを監視し、時には現場指導などをして育成するので、協力業者がたくさんあると管理コストが無駄に多くかかってしまいます。
一方、例えば、10~50人程度の製造メーカーでも、自社ですべて製作し、製品を顧客先に届けることは不可能ですから、当然「協力会社の評価・選定」というプロセスは発生します。
ただ、この時に、大手企業のような協力業者の評価をすると、どうも馴染みません。
「どうも馴染まない」の理由は、大手メーカーのような「ふるい落とすことを目的としたような評価をする」からでしょう。
中小零細企業でも、創業から30年、40年と経過していれば、「長年付き合いがある協力業者さん」は、いくつもあるでしょう。
ただ、塗装、メッキ、溶接、加工外注・・・といった協力会社は、各カテゴリーごとに何社もあるわけではありません。
例えば、メッキ屋さんは、昔は数社の取引先があったけど、価格や納期の関係で、メインの取引先が1社で、仕事量が過剰になったときのために保険的にあと1~2社と取引がある、というようなケースがほとんどでしょう。
そう考えると、「ふるい落とす評価」をしても何の意味もありません。
考え方の基本としては「現在、お取引のある協力会社の経営体制(後継者問題)や品質、価格、納期などの実績をチェックしつつ、使い続けるしかない」はずです。
つまり「取引を継続することを前提としてどのような点を管理していくことが重要か」がポイントとなるわけです。
逆に言えば、大手メーカーの協力業者評価表のように、各評価項目で評価し、5段階の総合評価(5~1)で、3や2になっても、「ふるい落とすことができるわけがない」わけです。
したがって、協力業者に発注する場合の管理方法(例:納入品の不良の傾向を分析することにより提出してもらう出荷検査の仕様を見直す、など)を絶えずチェックして、「安定的に使い続ける管理」が協力業者の管理として求められるわけです。
話は少しそれますが、いまだに、「ISOマネジメントシステムを経営に生かす=ISOで決められた書式があってその書式に沿った管理をすることで会社レベルが上がる」と勘違いしている経営者さんは、たくさんいます。
自社の業務特性をよく理解して、自社の特徴に合った管理をしなければ、「無駄な管理記録類か増えるだけ」になってしまうでしょう。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ566号より)
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