「北海道新幹線 開業2年目、前年度実績下回る見通し」
という見出しの記事を2018年3月26日付の毎日新聞が、報じていました。
記事によると、
◆北海道新幹線(新青森-新函館北斗間148.8キロ)は、26日で開業から2年
◆利用客は延べ406万人を超えたものの、2年目(2017年度)は前年度実績を大きく下回る見通し(3月12日時点)
◆多額の営業費用が重荷となっており、札幌延伸が予定される2030年度までいかに踏ん張るかが問われる
◆2017年度2月末までの利用客は前年同期を20.6%下回り、1日平均5100人だった
◆最多が8月の1日7500人、最少は1月の1日3400人で、特に7、10月は前年比25%減
ということのようです。
私も何度か北海道新幹線を利用しましたが、正直、盛岡以北はガラガラです。
開業1年目ですら、平均乗車率は32%で、2年目の2017年度(2月まで)は27%とさらに落ちていて、「開業に伴う観光特需」が収まったとみるべきでしょう。
ただ、JR的には、「当面の目標」は「26%」に設定していたようなので、想定内の乗車率のようです。
過去のJRを振り返れば、正確な数字を持っていませんが、私の感覚では、九州新幹線が部分開業した時の方が乗車率は高かった気がします。
北海道新幹線のカギになるのは、「ビジネス客をどう取り込むのか」にかかっていると思いますが、基本的に、北東北(岩手、青森、秋田)―函館間を利用するビジネス客は、そもそも多くないと思います。
九州の場合、「福岡」という巨大地方都市があり、九州で2番目に大きい鹿児島市とビジネス的なつながりがかなりあり、「飛行機や乗用車利用より断然早くて楽」というニーズがあります。
しかし、もともと、北東北と函館は、経済的なつながりが薄いと思います。
わずかな期待は、札幌延伸で、「仙台―札幌間」のビジネス利用客の増加ですが、これも正直、「期待薄」だと思います。
仮に、「需要がある」としたら、LCCが仙台―新千歳に参入するでしょうし、大手キャリアも価格をJRに対抗できるように下げるでしょう。
ある程度期待できるのは、札幌延伸で、新函館北斗―札幌間の道内利用客でしょう。
私は、在来線の函館―札幌を比較的利用しますが、指定席車両は、常に埋まっています。
しかし、在来線の特急は室蘭経由なのに対して、新幹線は、ニセコ、小樽経由なので、観光利用は期待できても、ビジネス的には、大きな期待を持つのはキビシイ気がします。
しかも、2018年3月で、開業から30年経過する青函トンネルの維持費や改修負担は重く、苦戦はさらに続くでしょう。
まさかとは思いますが、札幌に新幹線が延伸しても、JR史上初の「新幹線の廃止」という事態を招きかねないかもしれません。
打開策案は、「遷都」や「中央官庁の分散化」しか思いつきませんがこちらも、すぐには実現できないでしょうし、効果も疑問符です。
月並ですが、北海道新幹線の未来は、明るくないなぁ、と思います。
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