「神鋼・トヨタに損害賠償請求、データ改ざん問題で米消費者ら」

という201837日付けのロイターの見出し記事をネットニュースで見かけました。

 

記事によると、

 

◆(神戸製鋼所の)検査データ改ざん問題を巡り、米国の消費者が5日、神鋼と不適合品の供給を受けたトヨタ自動車を相手に、サンフランシスコの連邦裁判所に損害賠償を求める訴えを起こした

 

◆訴えを起こしたのはカリフォルニア州在住のトヨタ車所有者2

 

◆データ改ざん問題に絡んで米国の消費者から訴訟が提起されるのは初で、集団訴訟として扱うよう求めている

 

◆訴えによると、米国の消費者に販売されたり、リースされたりしたトヨタの6車種以上が、神戸製鋼所が生産した基準以下の金属で造られ、車両の安全性や性能に影響が及ぶ恐れがあるとしている

 

◆原告らは、トヨタは自社の車両を安全で信頼できるなどとうたって販売しており、欠陥部品について公表する義務があると主張した

 

そうです。

 

神戸製鋼所の検査データ不正問題が明るみになっても、日本では、

・元々、基準値が高く設定されているから、実質的な影響はない

・コンプライアンス的には問題だが、技術的な面では問題ない

・神戸製鋼所の検査不正に関係する工場や子会社のISO認証の取り消し等の動き

ぐらいが発生したのみで、具体的な「訴訟」「賠償問題」は、発生していないようでした。

 

しかし、「訴訟社会のアメリカ」では、やはり、裁判沙汰になりましたか、というのがこの記事を見た第一印象でした。

シロウト感覚ですが、「トヨタ自動車所有者の2人」が「トヨタ自動車に対して訴えを起こす」のは、「契約の概念」から当然です。

ただ、「トヨタ車ユーザーが、自動車の原材料の供給元である神戸製鋼所を訴える」というのは、成立するのでしょうか?

なぜなら、トヨタ車ユーザーと神戸製鋼所の間に、直接的な契約がないからです。

日本の裁判所に、このような訴状を出したら、却下される気がしますが、アメリカの裁判では、どのような理屈でこの「損害賠償請求訴訟」が成立するのか、興味がわきます。

 

日本の司法制度では、裁判するだけ無駄なコストがかかりますが、例えば「新幹線の台車の亀裂問題」では、「台車製作を担当した川崎重工業の鋼材の削りすぎ」が強度不足を引き起こしました。

この問題で、この台車破損の新幹線に乗車していた人たちが「この新幹線に乗ったことで、興津を感じ、精神的なダメージを負った」として「台車製造の川崎重工業を訴えること」は無理でしょう。

もし、乗客が訴えるなら「旅客サービスを提供」した「JRグループ」であるはずです。

 

しかし、仮に、このような裁判で、消費者側(トヨタ車ユーザー)が勝つことになると、影響は計り知れず、エアバックの「タカタ」のような天文学的な損害賠償金額になってしまうかもしれませんね。

今後の動向に注目です。

 

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