「太陽生命保険が、営業職員の報酬を平均8%引き上げることを明らかにした」
というニュースが流れていました。
2018年1月18日付の産経新聞の報道では、
(以下、引用編集)
◆全体の約6割を占める入社4年目以降の中堅営業職員については12%引き上げる
◆安倍晋三首相が期待する「3%賃上げ」を大幅に上回る水準
◆保険営業はもともと人材流動性が激しい上、顧客のニーズに合ったきめ細かい対応が求められる
◆報酬を手厚くすることで、優秀な人材を多く集めたい
◆営業職員は約9千人で、2018年5月支給分から、基本給と成果給で計8%増やす
◆2017年の実績は3%増だった
(引用ここまで)
だそうです。
生命保険、損害保険会社のコンサルティングに関わった経験があるので、あくまでも一般論ですが、
◆基本給が低い
◆離職率が高い
◆ノルマを達成してもさらなるノルマが設定されている
◆保険サービスが終了するまでは責任が伴うためリスクがある業務
◆飛び込み営業が多い
という世界です。
今の時代、他の業種の「営業職」は、「営業」といっても「飛び込み営業」より「ルート営業」や「紹介先ありきの営業」の仕事も多いですが、相変わらず保険の世界、とりわけ生命保険の世界は、「飛び込み営業」が多いです。
特に、団体生命ではなく、個人顧客が多い生命保険会社は、昭和時代の営業スタイル「人海戦術」が主体で、いわゆる「GNP営業」(義理、人情、プレゼント)が基本です。
生命保険会社自体は、昭和の時代と違って、
◆保険契約者の声(苦情、要望、お問合せ)の収集・分析
◆お客様の声に基づいたサービス内容の向上
◆契約内容確認活動の拡充
◆保険サービスのプロセス改善
◆業務ノウハウの標準化と継続的改善
といった「業務の質向上」に取り組んでおり、「契約をしてもらったら後は知りません」という「新規契約重視」の体制からは変わってきています。
ただ、「入り口部分」に関しては、まだまだ「個人の力量と努力に負う部分」が多く、「基本給や成果給のベースアップ」というニンジンをぶら下げなければ、「いい人材」は集まりません。
私は、「入り口部分」について「業務ノウハウの蓄積と標準化」に取り組んだことがありますが、なかなか難しいです。
その理由として、「営業担当者それぞれがライバル」なので、「失敗情報」は比較的共有化されても「成功情報」は「個人的企業秘密」であり、なかなか「会社のノウハウ」として開示してくれません。
会社全体で考えれば、この部分を「個人の頑張り」主体に期待すると「精神力の強い人しか営業職として残れない」ということになり、効率的でない人材確保と育成ができません。
「賃金アップ」は「営業職員の労務環境改善」と「営業職員のやる気向上策」として、「ハズレの問題解決策」ではありませんが、併せて「営業ノウハウの蓄積と標準化」にも取り組まなければ、長い目で見て「優秀な要員確保ができない」ということを経営層は理解するべきでしょう。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ577号より)
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