「箱根駅伝」に関心がない方には、ピンと来ないかもしれませんが、今年の箱根駅伝で見事「4連覇」を達成した青山学院大学原晋監督の戦略名は「ハーモニー大作戦」でした。
原監督は、チームを鼓舞することはもちろん、マスメディアに注目されるために、敢えて「箱根駅伝に戦略名に付けている」のではないかと思います。
ちなみに、4連覇の戦略名は、
2015年 ワクワク大作戦(ワクワク、ドキドキ楽しませるレースをしたい)
2016年 ハッピー大作戦(2度の疲労骨折から神野大地選手が復帰。国民をハッピーにさせたい)
2017年 サンキュー大作戦(学生駅伝3冠、箱根3連覇、感謝の意味を込めてサンキュー)
2018年 ハーモニー大作戦(個の力をまとめて調和させることが必要)
です。
なかなかうまいネーミングです。
それにしても、終わってみれば「圧勝」の青山学院大学の箱根駅伝でした。
しかし、原監督としては「出雲、全日本は、音程を狂わす人間もいたし、監督の指揮も悪かった」という反省が込められた「ハーモニー大作戦」だったようです。
日刊スポーツやスポーツ報知の報道によると、2017年の箱根駅伝後のチームの雰囲気は悪かったそうです。
その理由は、
・指導力を進化させたいと考え、原監督が早大大学院に進学した
・大学院に進学したことで、監督が練習を見られない日も出てきた
・監督はメディアに引っ張りだことなり、練習に顔を出す回数が減った
・3月の立川ハーフでは、大会当日、監督が来なかった(自民党の党大会にサプライズゲストとして呼ばれていた)
というようなことがあったそうです。
その結果、監督と選手の間で、不信感が芽生えたそうです。
そこで、しっかりと話し合いの場を持ち、監督の思いと学生の思いをぶつけ合ったのです。
ここまでの流れなら、どの組織にもよくあることで「気分を入れ替えて頑張ろう」で終わりです。
しかし、青山学院大の駅伝部がここから盛り返したのは、「システムが確立していたから」だと思います。
◆目標管理ミーティング
◆学年に関係なく意見を出し合う定例会議
◆3連覇までに確立された練習メニュー
◆過去のデータから、練習消化率と結果(記録)というデータ分析
といった仕組みがあるからこそ、監督と選手の意見をぶつけ合って、信頼関係を取り戻せば、「組織運営メニュー」をどんどんこなしていくだけです。
つまり、システムがあるから、原監督が居なくても、自分の状態と練習内容やレース結果から、次に何をすればよいか、自分で判断する力が選手についたわけです。
また、私は、原監督の「うちらが活躍することで、陸上競技に関心を持って貰うことができる」、「ライバルは他大学でなく、野球やサッカーなどのメジャー競技」との考えが選手に理解されたことも大きいと思います。
私事ですが、以前、仲間とある事業を立ち上げたことがあります。
仲間のそれそれの強みを生かした「調和(ハーモニー)が大事」との意味から、法人名に「ハーモニー」を入れました。
結果的には、「調和」できずにうまくいきませんでしたので、原監督の組織をまとめ上げる力には、恐れ入ります。
原監督は、4連覇でどんどん有名になり、きっと、今年はさらにいろいろなイベントに呼ばれるでしょう。
しかし、この活躍で「青山学院大で箱根を走りたい」という学生は潜在的にたくさんいるでしょうし、高校時代は際立った記録がない学生も、「1500、5000、1万メートルでは勝てないけど、青山学院でならハーフや箱根なら勝負できるかもしれない」という学生が集まってくるでしょう。
組織力を上げるためには、結果を出すことが一番です。
しかし、結果を出し続けるための「確立されたシステム」と「情報発信力」も組織力を維持し、よい結果を継続するための必須用をです。
青山学院大の来季の戦いぶりに注目し、「組織マネジメント」としても、参考になる情報収集をしてみたいと思います。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ575号より)
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