組織のマネジメントシステムについて「内部監査」を実施する場合、よく誤解があるのが、

「決められたことが適切に実施されているか」

という観点でのチェックするのが「内部監査」であると考えることである。

 

もちろん、間違いではないですが、それだけでは、真の目的は果たせません。

要は、

「決められたことが適切に実施されているか」

という観点に加えて、

「決めたことが(現時点でも)適切か」

という観点伝でチェックすることが重要なのである。

 

例えば、製造や施工現場で、

「始業前に、チェックリストに基づいて安全パトロールを実施する」

というルールがあった場合、「決められたことが適切に実施されているか」という観点のみの内部監査では、

◇規定された人(パトロール実施者)

◇規定された時間(始業前)

◇チェックリストの項目確認

といった点が適切に実施されているかどうかを見るだけになる。

 

もちろん、「決められたルールが現場で理解されておらず実施が不十分」な場合は、この観点での内部監査は重要である。

 

しかし、単発的な記入もれ程度で、基本的には、決められたルール通り実施されている場合は、この観点のみでの内部監査ではほとんど意味がない。

つまり「決められことが適切か」という観点でのチェックである。

 

日常生活に当てはめれば、生活習慣が変化して、スポーツをするようになった場合は、食事のレシピも塩分多めとか鉄分多めの食事にするというように「今までの食事のレシピの適切性が失われ見直しが必要」になるケースはあるだろう。

 

前記した安全パトロールの例でいえば、例えば、

◇規定されたパトロール実施者の力量は適切か

◇規定されたパトロール回数や時間帯は適切か

◇規定されたチェック項目は適切か

◇記録様式は書きやすくチェック基準は適切か

といったような観点でのチェック(検証)である。

 

国際的なマネジメントシステム規格が日本に浸透し始めて、すでに20年以上が経つ。

生みの苦しみで会社の明文化されていないルールを明文化してきた企業内の「第一世代」は引退し、いまや、第二世代や第三世代となって、「なぜそのようなルールを決めたのか」という根拠さえ、理解が不十分な組織もある。

つまり、「社内ルールの成り立ちが不明なので、見直しても大丈夫なのか否かの判断がつかず放置している」という組織も多く、「実態に合わない無意味なルール」を多く抱えている企業も多い。

わかっている人には、常識的なことであるが、内部監査の意味合いを振り返って、組織の業務改善に真に内部監査を役立ててほしいものである。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ410号より)

 

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