国際的な環境経営規格(環境マネジメントシステム規格)であるISO14001では、持続可能な発展のためには、組織や企業が社会経済的なニーズとバランスをとりながら環境マネジメントシステムを用いて環境への配慮を行うことであるといっています。
つまり、組織は「環境、社会、経済という三本柱のバランスをとること」が大事であるといっているのではないかと思います。
また規格では、「環境に配慮した組織活動」をする上では、組織が環境配慮の取組みを受動的に実施するのではなく、自ら行動を起こすための仕組みとして規格が開発された、と言っています。
環境マネジメントシステムの意図した成果としては、
「環境パフォーマンスの向上」「順守義務を満たすこと」「環境目標の達成」
の3点が明示されています。
この「意図した成果」を達成するために、
組織の内外の課題を特定し、利害関係者のニーズや期待を踏まえて適用範囲を決定し、従来の著しい環境側面や順守義務の重点管理に加えて、環境に関連する「リスク及び機会」を特定し、それらを優先的に対応するための取り組み計画を立て、PDCAサイクルで継続的な改善をしていくというのが、環境マネジメントシステムの大雑把な概要です。
環境省が策定した環境マネジメントシステム(環境経営システム)に「エコアクション21ガイドライン」があります。
国際規格であるISO14001とは別にエコアクション21を環境省が策定した背景は省略しますが、エコアクション21ガイドラインの現行版は2009年に制定されたものですが、2017年に改定されるそうで、環境省のウェブサイトに「エコアクション21ガイドライン2017年版(案)」がアップされています。
http://www.env.go.jp/press/files/jp/104553.pdf
エコアクション21のガイドラインを読むと、ISO14001の場合は、
「組織の内外の課題を特定し、利害関係者のニーズや期待を踏まえて適用範囲を決定」
しますが、エコアクション21では、「段階的認証」や「サイト認証」という例外規定もありますが原則としては「全組織・全活動」が「適用範囲」となっています。
また、ISO14001では「内部外部の課題」「利害関係者のニーズ期待」「環境側面」「順守義務」を考慮して「意図した成果を達成できるという確認を与える」「望ましくない影響を防止または低減する」「継続的改善を達成する」ための『リスク及び機会(潜在的な有害及び有益な影響)への取り組み』を決定することになっています。
一方、エコアクション21(2017年版案)では、「経営上の課題とチャンスを精査して把握し,それらを環境への取組に反映させること」となっており、ISO14001と比較して、「環境への取り組み」に至るプロセスが非常にあっさりしています。
(※わかりやすいというべきなのか、大雑把というべきなのか、私はまだきちんと検証していません)
現時点で気になるのは「機会(オポチュニティ)」を「チャンス」とエコアクション21では置き換えている点です。
私に認識では、「オポチュニティ」も「チャンス」も日本語にすれば「機会」ですが、意味は大きく違うと考えています。
端的には、
◆オポチュニティ→努力の結果によって得られた機会
◆チャンス→運や偶然によって得られた機会
という違いです。
環境マネジメントシステムの場合「経営上の課題と機会を把握する」場合の「機会」は「チャンスよりはオポチュニティの意味を指す」と思うのですが、どうなんでしょう。
まだ、エコアクション21ガイドラインは「案」の段階ですが、環境省の職員などがガイドラインの解説をする説明会があるようなので、「チャンス」とした狙いを確認してみたいと思います。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ534号より)
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