2017年10月24日付の日本経済新聞が、
(以下引用)
「全国農業協同組合連合会兵庫県本部(JA全農兵庫)は、24日までに、神戸市中央区の直営レストラン「神戸プレジール」本店で昨年4月以降、「但馬牛フィレ肉」を「神戸牛フィレ肉」と偽って提供していたと明らかにした」
(引用ここまで)
と報じていました。
記事によると、
◆人気が高い神戸牛のフィレ肉が品切れになることが多く、客の要望に応えようと独断で決めていた
◆但馬牛も高級な牛肉のブランドだが、神戸牛より格付けが低い。
◆今月、内部通報で発覚
◆神戸牛の発注数と店舗での販売数を調べた結果、偽って提供されたのは約3200食に上ると判明した
◆食事をした客に代金全額を返金し、同店は当面休業する
◆JA全農兵庫の曽輪本部長は記者会見し「神戸牛のブランドを傷つけ、ご迷惑を掛けた」と謝罪した
そうです。
「産地偽装」は、数年前に全国各地で、ブームのごとく問題になりました。
食品産業界は、その後、猛省しましたので「JAのような組織でこんなことがいまだにあるの?」とニュースを耳にしたときは、びっくりでした。
ミートホープ事件もそうでしたが、食肉は、プロでないと見分けがつきませんし、ましてや、調理してしまえば、プロでもなかなか見分けは付けられないでしょう。
だからこそ、販売側は「顧客との信頼を守る」必要があるわけです。
「どうせわかりっこない」
「食べてもわからないんだから」
というのは、事実だと思いますが、だからこそ「裏切り行為」をしてはいけないのです。
変な話、消費者は「神戸牛を食べてきた」という「自己満足」や「他人への話のネタ」で食べている部分もあり、「ブランド牛を食べたという満足感」を高いお金を支払って買っているわけです。
だから「味はわかりっこない」は、その通りですが、わざわざ高いお金を支払っているのは「お店との信頼関係がある」からこそ、なのです。
それにしても、今回の「問題発覚」は、日産自動車と同じで「内部通報」でした。
JA全農兵庫ですから、内部監査の仕組みあったと思います。
内部監査のポイントとして、専門用語でいえば「領域の状態と重要性を考慮して監査計画を立てろ」と言われています。
要は、今回の場合でいえば、
「人気が高い神戸牛のフィレ肉が品切れになることが多い」
「神戸牛も但馬牛ではあるが、さらに格上のブランドで価格も高い」
が「領域の状態」です。
つまり、ここに不正がないか、チェックの重点を置くべきだったのです。
そうすれば、仕入と販売数量の差異チェックで、すぐにわかったはずで、ブランドの不正販売や日常業務管理が不十分な体制だった、ということが内部監査ですぐにわかったでしょう。
JA全農兵庫が、どのような再発防止策を実施するのか、きちんと公表して欲しいものですね。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ565号より)
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