組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISO認証制度がある。
このISOマネジメントシステム審査について、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。
今回のテーマは、「ISO22000(食品安全マネジメントシステム)の適用範囲」について。
食品安全マネジメントシステム規格のひとつに「ISO22000:2005年版」があります。
この規格は『食品安全』のための『マネジメントシステム』です。
つまり、農場など原料の生産段階から食品工場など加工現場、食品包装メーカー、食品機械メーカー、輸送会社、調理施設など「食品に関するすべての過程関連する産業」において、食品危害を防ぐための仕組み作りの規範となる規格です。
要は、この規格を活用することで、
「消費者に安全な食品を提供することを目的とした食品安全マネジメントシステムの確立」
ができるわけです。
品質マネジメントシステム規格のISO9001や環境マネジメントシステム規格のISO14001同様に、ISO22000も認証規格ですから、食品安全システムを確立し、PDCAサイクルをまわしている運用実績ができれば、認証機関に申請して「認証取得」することができます。
認証取得の狙い(メリット)は、一般的には、
◆食品の安全な提供に関するリスクの低減
◆組織体制の強化や業務効率の改善
◆仕事の見える化による業務の透明性とノウハウの伝承の円滑化
◆継続的な改善による企業価値の向上
◆コンプライアンスの推進
◆取引要件の達成
などが考えられます。
ちなみに、ISO9001でも、ISO22000でも、マネジメントシステムの適用範囲を限定するのは、組織に管理上の責任が無ければ、理論上は可能です。
ただ、個人的には、法人格や資本的なつながりが深い、消費者サイドからみて「同じような組織」の場合は、消費者に安全な製品を提供し、信頼を得るためのマネジメントシステムであるという理由から、対象とする製品に関するすべての活動に関連する組織は、適用範囲から除くべきではないと思います。
私の経験上、認証された組織から除外されている機能部門として、
・原材料の購買部門(本社やグループ会社が一括購入している)
・製品回収を含めた外部コミュニケーション実施部門(本社が最終判断している)
・食品安全に関わる製品設計部門(本社やグループ会社の研究部門が実施している)
というようなケースがあります。
食品会社の場合、製造拠点が各地にあり、認証される適用組織を「拠点単位」にしているケースが多いので、「拠点組織を組織」としてみれば、本社やグループ会社は「外部組織」となるので、「適用範囲内の組織にはその業務の責任を有さない」ということになりますが、消費者目線で見ると変な感じがします。
また、近年では、全国各地の製造拠点を効率的に稼働させるために、A工場(A拠点組織)で生産される製品は、マネジメントシステム上は別組織であるB工場(B拠点組織)の原料(最終製品からみれば仕掛品)になるようなケースもあります。
つまり、最終製品となって拠点組織から生産・出荷されないケースが多々あり、かつ、製品仕様は適用組織に含まれない本社研究開発部門が担い、原料は集中購買で適用組織に含まれないグループ会社がに担当し、製品回収が発生すれば、問い合わせ窓口(お客様相談室)やマスコミ対応は、本社機構が担当するケースがあるのです。
こうなると、最近のISO9001認証のように、ISO22000(やFSSC22000)も、「実質的なマネジメントシステムに関わる各地の拠点全体でシステムを構築し認証されるべき」と思いますが、FSSC22000の場合は、認証単位がサイト毎である要求があり、「サイト内組織だけでは、マネジメントシステムは遂行できるはずなのになぁ」と感じることがしばしばです。
・・・そんなことにも気にしながら、少々一般人からすれば、マニアックですが、食品安全マネジメントシステム認証がどんな部門を対象に認証されているのか、消費者目線で眺めてみるのも面白いかもしれません。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ559号より)
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