2017年10月30日付の産経新聞が、
「地方消費税、人口比で配分 老年・年少基準に手厚く 財務省検討」
という見出しの記事を報じていました。
記事によると、
(以下引用抜粋)
・消費税のうち地方の税収となる地方消費税の配分方法について、財務省が現行基準を見直し
・65歳以上の「老年人口」と15歳未満の「年少人口」の比率に応じて配分する改革案を検討
・高齢化に配慮し、消費額が相対的に少ない地方への配分を増やすことで都市部との格差を是正
・消費税は税率8%のうち、1.7%分が地方に配分され、国が自治体に代わりまとめて徴収し、都道府県に割り当てる仕組みとなっている
・現在は税収の75%を都道府県ごとの消費額に応じて配分し、17.5%を人口、7.5%を従業員数に基づいて配分額を計算している
・地方の住民が大きな店のある都市部へ出かけて買い物するケースもあり、地方消費税の配分が都市部に偏ることが問題
・人口1人当たりの地方消費税収は、最大の東京と最小の沖縄で1.6倍の格差がある
・改革案では、消費税収が高齢者や子育て世帯を対象とした社会保障費に充てられている点を考慮
・現行の配分基準を全てなくし、子供と高齢者の人口による基準に一本化する
・老年・年少人口の比率が高いほど配分が増える
・地方は配分が増える一方、東京は減少が予想され、調整は難航しそうだ
(引用抜粋ここまで)
ということだそうです。
ヤフーコメントを見ると、
「バブル期終了後の30~40代は不幸」
「バブルでおいしい思いをした50~60代の老後も手厚くは納得がいかない」
「子供の少ないところに手厚くというのはどうなんだ」
「出生率が高く少子化対策を推し進めた街づくりのできてる地方自治体に多く配分すれば?」
・・・
といった傾向の意見が多いように感じました。
消費税の目的が「社会保障の拡充」ということであれば、線引きをどうきめるかは別にして「子供と高齢者の人口を基にして配分を決める」ことは、妥当な考えだと思います。
ちゃんと理解できていませんが、記事では、
「現在は税収の75%を都道府県ごとの消費額に応じて配分し、17.5%を人口、7.5%を従業員数に基づいて配分額を計算している」
と報道されているので、現在の配分額のファクターは、「消費額」「人口」「従業員数」となります。
感覚的ですが、そもそも、この「配分方法」が「公平性の観点」で捉えると、おかしいと思います。
まず「消費額」ですが、そもそも「消費額」は、地方ごとの物価水準で金額が変わり「公平な分配」にならない気がします。
また、観光地であれば、住民でない観光客が消費額を押し上げています。
「都道府県別の平均給与額に占める消費額」なら、公平性がまだ、確保できると思います。
次に「人口」は、社会保障として「どの層に手厚くするか」の観点を抜きにすれば「公平性」はあります。
「従業員数」は、都市部のように「就業人口とベットタウンのような夜間人口」に差があると「日中は住民でない人がその町の公共インフラを使用している」という問題があるので、「配分ファクターに従業員数」を持ち込む理屈は理解できます。
しかし、就労人口は、基本的に事務所や工場でカンヅメ状態で仕事をしており、図書館や公民館、保育所、高齢者施設など公共施設は住民のように利用しません。
そのような観点で考えると、「子供と高齢者の人口を基に配分する」という考え方は、方向性としては、間違っていないでしょう。
それにしても、記事では「人口1人当たりの地方消費税収は、最大の東京と最小の沖縄で1.6倍の格差」とありますが、「大観光地で消費額が多そうな沖縄の地方消費税収が少ない」のでしょうか?
確かに、現状の配分制度では、感覚的にはなんだか変な感じがしますね。
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