日産自動車の「無資格検査員」問題が長引いています。
「消費者や投資家の不信感が底なし」になったのは、問題発覚後の9月29日に新車在庫の販売停止がされたあとも、4工場で10月11日まで無資格検査員による検査が引き続き続いていたことです。
日産自動車の西川廣人社長は、10月2日の記者会見で、
「すべて認定した検査員が検査を行う体制に100%なっている」
と述べて、すでに検査が正常化したと強調し、在庫車の再点検を実施し、10月3日には販売を再開していたが、実際には、全く徹底されていなかったわけです。
西川社長は、記者会見で、
「課長から係長へのコミュニケーションギャップがあったことが落とし穴」
「経営トップからの指示が末端まで行き届いていなかったこと」
が「この問題の原因」と示した。
しかし、これは、「あくまでも問題の結果を表現しただけであり、原因ではない」ことは明白です。
月並ですが、
◆なぜ、コミュニケーションギャップが生じたのか?
◆なぜ、経営トップの指示が末端まで行き届いていなかったのか?
について、原因究明しなければ、社内体制やマネジメントシステムが「真の意味で改善され再発防止されたこと」にはなりません。
メディア情報(10月19日付毎日新聞より引用)によると、
「今回は、新たに検査の工程で不備があったことが判明。
自動車メーカーが国に代わって行う完成車検査の工程を変更した際は30日以内に届け出るよう義務付けられているが、日産は一部の工場で変更を報告しないまま検査を継続していた。
西川社長は、検査の正常化に向けて、問題発覚時に約300人だった有資格者を大幅に増員し、分散していた新車検査の場所を1カ所に集約するなどの対策を講じる方針を示した」
そうです。
しかし、問題発覚後も検査を続けていたということは、
・法令順守に関する日産従業員の認識の欠如
・人手不足が無資格検査の問題ではない
ことが判明したことにほかならないといえるでしょう。
自動車メーカーは、部品製造などをしている下請けの協力会社に対して、工程変更した場合は、メーカーに届出をして、承認を得るように徹底しています。
しかし、自分たちの検査工程は、国交省に届出することなく、しかも認定されていない検査員が実施しても、罪の意識がない、というお粗末ぶり。
なんだか、根が深い気がします。
「やっちゃえ日産」というCMで矢沢永吉さんが言っているフレーズがむなしく聞こえてしまいますが、責任問題だけでなく、企業体質の観点からもしっかり、原因究明してもらいたいです。それにしても、「日産の無資格検査員問題」は、「三菱自動車の燃費データ不正事件」より、タチの悪い「不正」のはずですが、衆院選挙期間中のせいか、なんだか世間的には「大問題になっていない」のは気のせいでしょうか。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ564号より)
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