2017年10月23日付の静岡新聞が、
(以下引用)
「JR東海は23日、台風21号の影響で熱海駅に長時間停車していた東海道新幹線こだま705号の車内で、乗客に配った缶詰のパンの賞味期限が切れていたと発表した。
健康被害の報告はないという。
JR東海によると、23日午前3時ごろ、乗客に非常用に熱海駅で備蓄していたパン128食を配った。その後に乗客から指摘を受け、乗務員が15食を回収した。パンは5年間保存できるが、賞味期限は今年8月までだった。」
(引用ここまで)
という報道をしていました。
22日は、私も台風21号が接近中の中、出張先への移動でした。
用心して少し早めに移動しましたが、飛行機や鉄道の運行状況をチェックすると、運休や本数を減らしたり、のろのろ運転をしているようで、「時間帯によっては、どこかの駅で長時間、停車しているはずだぞ」と思っていました。
悪天候や地震の影響で、私も、過去に新幹線の中にカンヅメになったことがあります。
その時は、JRの職員の方が、おにぎりとペットボトルのお茶を配付してくれて、感謝した記憶があります。
さて、冒頭の記事の件ですが、個人的には、「大騒ぎする話ではない」というのが結論です。
というのも、そもそも、今回配付されたパンは、もともと災害対策用に備蓄している長期保管を意図した食料だからです。
配付した食料が、いわゆる「日配品」のおにぎりやパンであれば、消費期限が5日以内のものですから、期限を過ぎていれば、保存状態にもよりますが、「公に配付する」ことは問題とされるのも仕方がないでしょう。
しかし、今回の場合は「賞味期限5年」と長期間の保存食品です。
しかも、缶詰です。
食品安全の専門家によれば、缶詰は、理論上、半永久的(ちょっと言い過ぎかも?)に食べられるそうです。
(※個人的な感覚ですが、常温で10年以上保管していた缶のお茶を飲むと、ややアルミ臭がするので、食品安全上の問題はなくとも、品質的にはかなり落ちていると思いますが)
そして、消費期限は、短めに設定されていますから、「2か月過ぎていたところで食品安全上、物理的、化学的、生物的に問題はまったくない」です。
JR東海の「ミス」としては「賞味期限が切れていることを乗客に指摘されるまで気づいていなかったこと」と「賞味期限を2か月過ぎていますが、よかったら食べてください」と放送して、欲しい人に配付するべきだったことでしょう。
報道機関は「淡々と事実を報道する」ことも第一ですが、世の中の人に「消費期限と賞味期限の違い」を正しく報道することも、社会的に役目があると思います。
今回の場合は、「スーパーなどでの販売」ではなく、「台風で足止めされている乗客に対する善意の配付」ですから、「食品ロスを減らす」という観点からも、このようなケースは「奨励するべき事案」と個人的には考えます。
「善意があだになる社会」が、どんどん「堅苦しい社会」にして行ってしまうと思います。
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