2017年10月22日に投開票される衆院選が中盤戦に入った。
「選挙のプロ」といわれる票読み専門の評論家たちの論調では、現与党の自公民で300議席を超える勢いとなっており、東京都知事の小池百合子氏が代表を務める希望の党は大失速し、立憲民主党が躍進しているという。
解散当時は、
・小池新党の党名が希望の党となった
・小池氏が小泉純一郎元首相と会談し原発ゼロが争点になると面白いと小泉氏が発言した
・民進党の前原代表が希望の党に全員合流することを表明した
・衆院選が、自公政権継続か、希望の党を中心とした政権選択選挙になる方向になった
ような情勢で「選挙戦」を「劇場」に例えれば「面白い衆院選」となるはずだった。
しかし、
◆小池氏の「全員合流」が原則だったはずの民進党議員の排除発言
◆小池氏以外の党人事が決まっていない選挙戦
◆小池氏の衆院選挙不出馬
◆排除発言による立憲民主党の立ち上げ
などにより、結局、現与党の自公に対抗するはずの野党票が分散することになり、小池氏の「政治家としての底」が露呈し始めてしまった。
その結果が、自公大勝予想。
あまりの「自公圧勝」予想の世論調査結果から、多少のアナウンス効果はあるにせよ、結果論的には、安倍首相が「今なら勝てる」と思い描いたような解散となった訳でしょう。
今後の政治を勝手に占えば、「今の憲法を絶対に変えてはいけない」と主張している政党は「共産党と社民党」だけですし、昨今の世論調査では、国民の7割は「憲法改正が必要」と考えているとの結果もあるようですから、どのタイミングになるかわかりませんが、「憲法改正の国民投票」を実施する日がいつか訪れるのかもしれません。
立憲民主党は「憲法を守りましょう」とは主張していますが、一部の旧社民党系議員を除いて、「改憲はダメ」とは主張していません。
現在の憲法を閣議決定などで、現在の憲法九条について、ねじ曲げた解釈をして集団的自衛権の行使を容認するのはおかしい、ちゃんと憲法にしたがった民主的な政治をしていきましょう、と言っているだけです。
したがって、「憲法改正問題」については、国民の多くが、「今の国際情勢を考えたら、個別自衛権だけでは同盟国との関係を考えたら現憲法では、無理があるでしょう」と考えているので、いずれ「改憲」になるのではないかと思います。
ただ、憲法改正は「九条」だけではありません。
右寄りの思想派が、国会の議席の多数派となると、その他の条項をどさくさに紛れて、改悪されてしまうのではないか、という恐怖があるわけです。
私自身は、「是是非非」で政治は捉えるべきだと思っているので、特定の支持政党はありません。
日本の政策課題ごとに、各政党が連携していくのが理想だと思っているからです。
ただ言えるのは、「是是非非」観点で捉えると、
◇一強政治は、全般的にリスクが高い
◇一強政治、お友達が利得する
◇一強政治は、官邸主導になり、国会での議論が高まらない
◇一強政治は、官僚も忖度行政をしやすい
◇一強政治は、マスメディアもコントロールしてしまう
・・・
といった「一強政治」の問題やリスクが安倍首相の長期政権で露呈してきた気がします。
その代表例が「モリカケ問題」でしょう。
安倍首相自らは、「やましいところはひとつもない」といったところで、まわりが忖度するわけです。
また、大臣や副大臣、政務官の不祥事や問題発言が出て、政権がグラグラ来て「国民がなんだかおかしいぞ」と思っても、代わりの政党が現在の選挙制度(小選挙区制)では、出てきません。
55年体制時代は、「自民党内の派閥」が、「現内閣が傾いてきた時の代替機能」を果たしていたのでしょうけれど、今はその機能もありません。
個人的には、現政権がおかしくなってきた時に、「超党派で、代わりの誰かを担ぎ、連立の新政権が誕生する」ということが起きても、良いのではないかと思います。
さて、組織のマネジメントとして「小池百合子氏」を考えてみると、彼女の失敗は、
◆強みを理解し、活かせなかったこと
◆大きな組織のかじ取りができなかったこと
の2点だと思います。
前者は、「誰かに排除されている小池百合子を応援する世論」が「彼女の特徴であり強み」だったはずですが、例の民進党議員の「排除します」発言で、一気に流れが変わりました。
また、「ひとりでなんでも決めるのは、ドラスティックで、おもしろい」ですが、「井戸を掘ったら、人に任せるマネジメント」ができなければ「大政党のかじ取り」はできません。
「希望の党結党時は、もしかしたら、政権政党になる可能性がある」ほどの勢いだったのですから、役職者を決め、任せなければ、大きな組織のかじ取りは無理なわけです。
それにしても、小池希望の党代表兼都知事は、投開票日の21日に渡仏し、22日はフランスで衆院選挙の結果を迎えるそうです。
完全に「敵前逃亡」の形となり、「小池劇場は閉幕」となるのでしょうね。
結果論としては、師匠のひとりである「小沢一郎氏」同様、国政勢力図をかき回しただけ、になってしまいそうな現時点ですね。
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