マスメディアのテレビ報道の中心が、2017年10月22日投開票の衆院選一色になり、トップニュースとして扱われていませんが、「日産自動車の無資格者の完成検査」問題について、さらっと確認しておきたいと思います。
メディア情報だと、
◆日産自動車の国内6カ所の全ての組立て工場で無資格検査員が完成検査を実施していた
◆日産は、車両の再点検のため、約121万台のリコールを国土交通省に届け出る方針
◆対象は、2014年10月から2017年9月までに生産し、国内向けに販売した車種
◆今週中に国交省にリコールを届け出し、全国の日産販売店で点検を行う
◆点検コストは1台あたり1万円以上かかる見込み
◆リコール費用は250億円を超える見通し
だそうです。
新車登録前で、まだユーザーに引き渡される前の車が、約3万4千台あり、それについては、販売店で再検査が行われるそうです。
今回の「無資格検査員の完成検査実施」は、国交省が規定したルール通りでないわけで「大問題」ですが、私が関心があるのは「無資格者による検査によって、実質的な検査項目や内容の見逃しがあったのか否か」です。
再検査は、各販売店で実施するそうですが、その再検査で「不合格車が何台出るのか?」知りたいところです。
記者会見で、日産自動車の西川社長は、「原因の調査には1カ月程度かかる」と述べていましたが、国内全6工場で無資格検査員による完成検査が実施されていたとなると、日産自動車の品質保証体制に問題があると通常は考えるのが普通でしょう。
報道では、西川社長は、
◆(日産自動車としては)国交省が9月18日に日産の工場を抜き打ち検査するまで、全く認識していなかった
◆問題の原因については
「工程内の検査が多く、登録された検査員でないと検査してはいけない項目という認識が薄まっていた」
「「無資格検査員が正規検査員の検査にタッチしない」ということが、国交省の認識とずれていた」
と語っていることから、「日産サイドとしては現状の検査体制に対して問題意識がなかった」ということになります。
おそらく、社内的には「内部監査で問題なし」とされていたのでしょうから、マネジメントシステム的には「内部監査が有効に機能していなかった」ということになるでしょう。
今回の日産自動車の件は、製造業における「製品検査結果の改ざんや偽装」系の他社の不祥事とは違って「罪の意識はない」ものかもしれません。
税金に例えれば、「組織と国税や税務署との解釈のずれ」系の不祥事かもしれません。
しかし、国交省が定めた完成検査基準という秩序によって、他車メーカーは完成検査を実施しているので、消費者への信頼性や安心感を取り戻すためにも、日産自動車には、根本的な原因究明と再発防止策を期待したいです。
ちなみに、日産自動車は、ISOマネジメントシステムの認証を受けています。
認定機関および認証機関の調査結果にも注視したいですね。
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