2017年9月9日は、陸上ファンはもちろん、日本人にとって「歴史的な1日」になったので、月並みですが、「陸上男子100Mの日本記録更新&日本人初の9秒台達成」について触れておきたいです。
ご存知のように、9月9日に、福井県営陸上競技場で開催された「日本学生対校選手権」の第2日の男子100M決勝で、桐生祥秀選手(東洋大学4年)が、9秒98の日本記録を達成しました。
(追い風1.8m(2mまでは公認))
桐生選手は、4年前の洛南高校時代に10秒01を出し、「日本人で初めて9秒台を出すのは時間の問題」と言われてきました。
しかし、大学生になってから、陸上関係者の中では「いつ出してもおかしくない」といわれながら、10秒0台や、自己ベストタイの10秒01を出すことはあっても、100Mはもちろん、200Mでも大学生になってから、更新することがありませんでした。
古い話ですが、1987年に当時の日本記録(10秒33)を出した当時、法政大学の不破弘樹選手も1984年に東京農大二高時代に日本タイ記録(10秒34)を出しながら、記録的には足踏みして、ようやく3年後に記録更新して、その後は自己記録を更新することなく引退しました。
なので、桐生選手も、もしかしたら、「早熟だっただけで、結局、高校生の時のタイムがキャリアハイで終わってしまう悲運の選手なのかも」と秘かに思っていたぐらいでした。
また、今シーズンは、世界選手権のリレーでは銅メダルを獲得したものの、個人種目では出場がかなわず、体調的にも「左太ももに不安を抱えていた」と聞いていたので、今シーズン中の9秒台は「まず無理」と勝手に思っていました。
また、桐生選手といえば、
・勝負がかかった大きな試合で、後半、緊張からからだが硬くなり失速する
・良いタイムが出るレースはライバル視していない日本人選手が出ていないレース
・桐生選手が出場するレースは条件の悪い向かい風になることが多い
といった過去のデータあるのも特徴でした。
つまり体調も良くないし、「大学生としての最後の大会」というプレッシャーのかかる大会で、「記録更新は無理」と個人的には思っていました。
しかし、記録を達成できたのはなぜか?
各メディアで報じられている陸上関係者の見解によれば「ふたつの壁を越えた」からだそうです。
「壁」とは、「タイムの壁」「ライバルの壁」です。
桐生選手自身は、大学生になって自己ベストを更新していないことが、負い目だったそうです。
けれども、このレースでは、
「肉離れしても行かないと。けがしても良いくらいの気持ちだった」
そうです。
つまり、桐生選手の中で、お世話になった土江寛裕コーチや後藤トレーナーに感謝を示すラストチャンスで、リミッターを外したわけです。
リミッターを外すことで、爆発的な力を発揮し、「タイムとライバルの壁」を超えたわけです。
ちなみに、世界で、公認記録で10秒を切った選手は120人ほどいるそうです。
(現時点で桐生選手の9秒98は歴代99位)
黒人選手以外で10秒を切った選手は、10人にも満たないらしいですが、桐生選手が突破した「10秒の壁」をきっかけに、日本人選手の9秒台待機組(山縣選手、多田選手、サニブラウン選手、ケンブリッジ選手、飯塚選手)にも五月雨式に、10秒を大量突破して欲しいですね。
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