辞書で「原点回帰」を調べると

「自分が原点であると思った場所に帰ること。初心に戻ること。」

とある。

 

 

よく、人は、何かに行き詰ったときは「(うまくいっていた)原点に一度立ち戻ってみよう」ということがよく言われる。

また、企業経営の場合には、「原点回帰が必要だ」とも。

 

 

企業のケースでいえば、アメリカのゼネラルモーターズ(GM)は、「金融業になってしまって凋落した」といわれることが多い。

ざっくりとGMについて触れると、GMは言わずと知れた世界的な自動車メーカーである。

「既存車種を毎年モデルチェンジするマーケティング手法を確立」したのもGMが最初でしょう。

ご存知のように、モデルチェンジは、「ユーザーが所有する車がすぐに時代遅れになり、結果として買い替え需要を促進し、新車が売れる」というビジネスモデルです。

いまでこそ、携帯電話やパソコンなどOA機器や家電製品などあらゆる製品にこの手法が用いられていますが、「どうしたら顧客のニーズを刺激し、購買意欲を掻き立てるのか」をメーカーとして考えて生み出された手法でしょう。

 

 

しかし、アメリカでも徐々に顧客ニーズや環境への世間の意識が変化しつつあったのに、メーカーとして開発を怠ったわけです。

具体的には「低燃費な小型車対応」と「排ガス規制対応」です。

その結果、トヨタにどんどん市場を食われ1980年代からの凋落が始まったわけです。

 

 

売れなくなったGMが取った手段は、「金融子会社を作りお金を貸し出して消費者に車を売る」というローンの仕組みを使った手法です。

アメリカは、日本よりも「ローン社会」ではありますが、信用力が薄い消費者にお金を貸し出せば、車はどんどん売れるでしょうけれど、最終的には、焦げ付き、破たんするのは目に見えていました。

 

 

このようなケースから学ぶべきは、やはり「原点回帰」です。

メーカーの原点に立ち戻って、「顧客ニーズを追い求め、製品の質により選ばれ続ける企業姿勢」が大事なわけです。

 

 

この「原点回帰」ですが、間違って使われるのが、ドラマの「リメイク版」です。

ドラマがヒットして、続編が成功するのは、その翌年など、立て続けに作品をリリースした場合です。

たとえば、ショムニ2013のように、初回作から10数年の年月を空けてしまうと、時代背景は変わっていますから、当時のフォーマットを懐かしむ層には受け入れられても、選挙用語でいえば「浮動票」のような、新たな消費者を呼び込めないわけです。

 

 

何においても「原点回帰」は大事な概念ですが、成功事例、失敗事例を分析したうえでの「原点回帰」をしなければ、「単なる昔の成功体験への懐古趣味」となるだけで、うまく行かないのです。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ399号より)

 

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