2017年8月18日に発生した岐阜県瑞浪市付近の中央道の土砂崩れ事故が「人災だった」疑いが出てきています。
メディア情報だと、現状、この事故で4台の車が巻き込まれて6人が重軽傷を負っています。
18日にこのニュースの一報を聞いた時には、「ものすごい大雨だったんだなぁ」というぐらいの印象で、「ネクスコ中日本(中日本高速道路株式会社)の道路管理や道路の施工管理システムは大丈夫なのかなぁ」ぐらいにしか感じませんでした。
しかし、岐阜県や警察の調査で、「流れ出た土砂の中に陶器の原料の汚泥が大量に混ざっていた」ことで、状況は、一変しました。
24日付のNHKニュースによると、近くの陶磁器原料メーカー(丸釜釜戸陶料株式会社)が不法に投棄していた疑いがあるとして、本社や工場などを捜索したそうです。
報道によると、岐阜県の調査に対し、会社側は、
「40年前から規格外で取り引き価値のない原料の汚泥を袋に詰めるなどして投棄していた」
と説明したそうです。
会社の記者会見の報道をちらっと見ましたが、会長が「慣例でやっていた」と確か答えていたように思います。
しかし、社会人の人なら「常識」ですが、「取引価値のない原料(汚泥)を投棄する」ことは、「廃棄物処理」となり、埋め立てるとしたら県が許可した場所に許可業者が埋め立て処分するしか方法はありません。
つまり、自社の敷地であっても「廃棄物の埋め立て処分」を勝手にすることはできないのです。
早速、丸釜釜戸陶料株式会社のウェブサイトを確認すると、なんと「2004年4月」に「品質マネジメントシステムの国際規格であるISO9001の認証」を取得している企業であることがわかりました。
(適用製品は、結晶性シリカ粉末品及び溶融シリカ粉末品の製造。)
https://www.jab.or.jp/system/iso/search/detail/org/82020/
また、品質方針には、一番初めに「適応される法令・規制要求事項を厳守する」と書かれていました。
http://www.maru-kama.co.jp/quality
現状、ウェブサイトでは、「土砂崩れに関する情報」はお詫び文などは、記載されていません。
今後は、廃棄物行政を担当する岐阜県や刑事事件への発展を含めて警察の調査が行政的には入るでしょう。
そして、ISO認証を受けていることから、審査を担当したJQA(日本品質保証機構)や認定機関のJAB(日本適合性認定協会)の調査もあるでしょう。
世間の見方としては、一般論として、「ISOの審査で不法投棄を見つけられなかったのか?」という疑問は確実にあるでしょう。
業界にいる人間からすれば、審査対象が品質マネジメントシステム(QMS)であることから、審査自体がサンプリングであることや、QMSの審査であることから、環境マネジメントの審査のように敷地内を巡回することもほとんどなかったと思われますので、「審査で見つけるのは難しい」ということになります。
しかし、世間からすれば「それじゃ、なんのために認証ですか。近隣住民にとっては、製品品質そのものよりも、法令順守の方が大きな関心事ですよ!」と思うはずです。
認証機関の結論的には「審査上の瑕疵はなかった」という結論になると思いますが、「認証」に対する世間(利害関係者)のニーズや期待を考慮すれば、しばらくの間は、「訪問したサイトの審査における巡回観察の強化」は図られることになるでしょう。
丸釜釜戸陶料株式会社と認証機関(JQA)の対応に注視したいと思います。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ556号より)
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