環境に関する著書が多い東京大学名誉教授で、国際連合大学の元副学長の安井至先生が、「環境経営のゴールとメリット」について、ある講演会でお話しされていたので、下記に紹介したい。
【環境経営のゴール】
経営トップの高い理念と社員の高いモチベーションで、社員が胸を張れる企業になる
【環境経営のメリット】
(社員のモチベーションアップ)
1 自慢できる社員が出現する
2 新たな費用削減方法の発見が継続する
3 環境活動レポートにより社会的信用が得られる
4 社員のモチベーションが向上し、高度な製品・サービスの提供が可能になる
(経営トップの経営力アップ)
5 地球環境の動向と国際経済情勢が理解できる
6 最新の環境経営の動向がわかる
7 経営のリスクと機会、未来の見方が進化する
8 有効なリスクマネジメントで安心経営が実現できる
私も安井先生が挙げる8つのメリットは、同感です。
ただ、一般的には、環境経営に取り組むメリットには、
「環境経営に取り組むと、取引先や入札の発注者から評価ポイントが上がり、優遇があるし、自治体から優遇処置や補助金が出る制度もあるし、金融機関から融資を受けやすくなるし、損害保険料も安くなるといったメリットもあるんじゃないですか?」
という声が聞こえてきそうです。
このような利益を「現世利益」と呼びますが、確かに環境経営に取り組むメリットのひとつではありますが、「一過性で終わる」というのが多くの企業を見てきた実感です。
そこだけに特にメリットを求めると、評価制度や優遇制度が変わりメリットが受けられなくなると、環境経営に取り組むモチベーションが低下し、一気に活動を止めてしまいます。
ちなみに、帝国データバンクの調査によれば、
「ISO14001やエコアクション21といった環境経営マネジメントシステムの認証を受けている中小企業は、短期的な財務状況はそれほど良くないが、地域から比較的高い信頼を得ている」
という分析結果があるそうです。
このことは、つまり、環境経営に取り組む企業の傾向として、
「一時的な高収入を得るのではなく、長期にわたる信用を得て、持続可能なビジネスを行おうとする傾向が強い」
ということです。
以上のことは、企業経営者や環境経営に取り組んでいる企業と取引をする企業は、頭に入れておきたいことである。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ514号より)
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