組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISO認証制度がある。

 

 

このISOマネジメントシステム審査について、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

 

 

今回のテーマは、「認定範囲の経済活動分野(39分類)」について。

 

 

今回のテーマでよく話題になるのが、「割り当てられた経済活動分野の適切性」です。

そもそも、認証機関が組織を認証する場合、「QMS(品質マネジメントシステム)とEMS(環境マネジメントシステム)」の審査では、「経済活動分野のリスト(大分類は39分類)」をひとつのモデルとしている。

 

 

39分類」とは、

1 農業,林業,漁業

2 鉱業,採石業

3 食料品,飲料,タバコ

4 織物,繊維製品

5 皮革,皮革製品

6 木材,木製品

7 パルプ,紙,紙製品

8 出版業

9 印刷業

10 コークス及び精製石油製品の製造

11 核燃料

12 化学薬品,化学製品及び繊維

13 医薬品

14 ゴム製品,プラスチック製品

15 非金属鉱物製品

16 コンクリート,セメント,石灰,石こう他

17 基礎金属,加工金属製品

18 機械,装置

19 電気的及び光学的装置

20 造船業

21 航空宇宙産業

22 その他輸送装置

23 他の分類に属さない製造業

24 再生業

25 電力供給

26 ガス供給

27 給水

28 建設

29 卸売業,小売業,並びに自動車,オートバイ,個人所持品及び家財道具の修理業

30 ホテル,レストラン

31 輸送,倉庫,通信

32 金融,保険,不動産,賃貸

33 情報技術

34 エンジニアリング,研究開発

35 その他専門的サービス

36 公共行政

37 教育

38 医療及び社会事業

39 その他社会的・個人的サービス

このようになっています。

 

 

ざっくり、事例で例えると、

「テレビ、ラジオの設計、製造」

という会社があった場合、その組織の「経済活動分類」は「19電気的及び光学的装置」になり、それに適した専門性を有する審査員が審査を担当することになります。

 

 

JAB(公益財団法人日本適合性認定協会)のウェブサイトに掲載されている適合組織検索サイト(QMS)をみると「あれ??」という分類にカテゴライズされている組織がいくつも見つかります。

https://www.jab.or.jp/system/iso/search/

 

 

例えば、経済活動分類の割り付けに迷う業種として、「アスファルト製造業」があります。

自分のところで製造せず販売だけなら「29卸売業、小売業」になりますが、「アスファルトの製造」だと、分類候補として、

10 コークス及び精製石油製品の製造

15 非金属鉱物製品

16 コンクリート,セメント,石灰,石こう他

が考えられます。

 

 

実際、JABのウェブサイトで「アスファルト」で検索すると「101516」に分類された事例があります。

また、「アスファルト合材」で検索すると、「1016」に分類された事例が出てきます。

一般論ですが、組織の経済活動分類をどのような理由で、その分類にしたのかは、認証機関の考え方を聞かねば「正しい、間違っている」の判断はできません。

ただ、「同じ認証機関」で「アスファルト製造業」なのに、ある組織は「10」、別の組織は「16」に割り当てられていたら「それは変(おかしい)」と疑問を持ってよいでしょう。

 

 

「アスファルト」の例でいえば、アスファルトは、そもそも「石油精製の過程」で生まれますから、「石油精製(10)」ともいえますし、原油が材料ですから「非金属鉱物製品(15)」ともいえます。

「アスファルト合材」とは、道路舗装の場合、アスファルトと骨材を混ぜて「アスファルトコンクリート」として使用しますので、「16コンクリート」ともいえるので、なんともいえませんが、とにかく、「認証機関の経済活動分類の割り当て手順がどうなっているか」を確認しないと、適否はわからないです。

(後編に続く)

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ546号より)

 

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