2017年4月12日付の読売新聞によると、ローソンの玉塚元一会長(54)が5月30日付で退任し、顧問に退くと発表した。
玉塚氏は、経済界では名前の知られているいわゆる「プロ経営者」である。
ざっと、主な経歴を下記に記すと、
◆1962年生まれ
◆慶応幼稚舎、普通部、高等部を経て1985年に慶應義塾大学法学部卒業
◆1985年に旭硝子入社 社費でMBAを取得 1997年に退社
◆1998年にIBMに入社し、入社4ヶ月でIBMを退社しファーストリテイリング入社
◆2002年にファーストリテイリング代表取締役社長
◆2005年に社長解任、退職
◆2005年にSONOKOの社外取締役就任
◆2005年に澤田貴司氏(伊藤忠商事出身、現在ファミリーマート社長)とリヴァンプ設立
◆2006年にロッテリア会長兼最高経営者に就任
◆2010年にローソン顧問に就任
◆2014年にローソン社長に就任
◆2016年にローソン会長に就任
◆2017年5月30日付で会長を退任し顧問へ
となります。
玉塚さんに直接お会いしたことはありませんが、経歴だけ見れば、まさに
「お坊ちゃま」「世渡り上手」「プロ経営者」
というような言葉が浮かぶ方です。
私も仕事柄、いわゆる「プロ経営者」という方に仕えたり、仕事を通じて接したりしてきました。
一般的には、「創業社長」や「生え抜き社長」ではない外部から「経営のプロ」として招聘された人を「プロ経営者」と呼びますが、玉塚さんの実質的な「ローソンからの三行半」により、玉塚さん自身の「プロ経営者としてのキャリア」も信頼が落ちましたが、2016年には「プロ経営者中の経営者」とも言われた日本マクドナルド元会長兼社長の原田泳幸氏がベネッセホールディングス会長兼社長を退任したこともあり、世間一般の「プロ経営者」自体のイメージも下落した気がします。
功罪はもちろんありますが、世間一般的なイメージで、日本人の誰もが知っている成功したプロ経営者は、日産自動車のカルロス・ゴーン氏でしょう。
プロ経営者の役割は、やはりなんといっても「しがらみにとらわれない改革を断行できる」ところでしょう。
創業社長や生え抜き社長は、業界慣習や組織内のしがらみに縛られ、どうしても思い切った改革ができません。
しかし、プロ経営者は、従来の常識にとらわれずに発想したり、経営刷新や業務改善に着手できるわけです。
したがって、その時の組織の状態にもよりますが、「プロ経営者は決して必要悪ではない」と考えます。
さて、玉塚氏ですが、私のような境遇の人間からすれば、ある意味、「すごいな」です。
ユニクロを運営するファーストリテイリングに入社して4~5年で柳井会長に見出されて社長になり、退任退職後も、名だたる企業の取締役やトップを任され、ローソンの発展期を担った新浪会長に請われてローソンに入りトップに上り詰める、・・・とすごい経歴です。
ただ、言い方は悪いですが、彼が渡り歩いて来た企業で彼が残した大きな実績となると、大変失礼ながら「・・・」なのです。
それなのに、常にどこかからお声がかかったり、一時的には、あの柳井会長も新浪会長もほれ込んだわけですから、お育ちがよいので性格がよく、プレゼン上手で、人たらしなのでしょう。
たぶん、玉塚さんの顕著な特徴に引きずられて、実際の評価が歪められている、ある意味「ハロー効果(後光効果)」をまわりに与えているのでしょう。
玉塚さんの曽祖父は、玉塚証券(現みづほ証券)創業者で、祖父は東京証券取引所理事長、そして玉塚さんの華麗な経歴と見た目のさわやかさがハロー効果の源でしょう。
お育ちの良さと毛並みの良さは、ある意味持って生まれたもので、うらやましい限りですね。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ537号より)
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