NHKの夕方の報道番組「シブ5時」(2017年3月1日放送)で、
「東京・立川市の集団食中毒で原因と特定された「刻みのり」を製造・販売した大阪の食品会社「東海屋」によりますと、問題の商品は、ことし12月1日が賞味期限となっている業務用の商品で、「東海屋」では、賞味期限がこの日以降となっている商品、491パックを対象に自主回収しています」
と報じていました。
報道によると、
◇商品は、東京、埼玉、新潟、大阪、兵庫、和歌山、滋賀、大分の13の取引先に出荷
◇この商品を製造する際、のりを刻む作業を大阪・北区の個人業者に委託していた
◇委託業者は、乾燥した状態の「のり」を1枚1枚機械に入れて刻む際、東海屋との取り決めに違反して、手袋をせずに素手で作業をしていた
◇委託業者は、作業の効率が悪くなるとして、長年、手袋を使わずに作業をしていた
◇「東海屋」の田中健二社長は「衛生管理の指導が十分できていませんでした。大勢の方を不安にさせ、大変申し訳なく思います。早急に回収をはかり、これ以上の被害の拡大を防ぎたいです」と話しています
とのことです。
早速、いつもの通り、「東海屋」のウェブサイトをチェックしてみると、お詫び文(3月2日付)が掲載されていました。
http://www.tokaiya.co.jp/PDF/20170302_Owabi.pdf
お詫び文の内容を「社長限界でしょ」で確認すると、
社:謝罪→記述あり
長:調査→記述あり
限:原因→記述あり
界:改善(再発防止)→記述あり
で
しょ:処分、賠償→記述あり(返金対応)
と及第点のお詫び文の内容でした。
あえて、注文を付ければ、再発防止策が具体的でないので、消費者サイドとしては気になるところです。
ニュースで、東海屋社長と委託業者の「いそ小判海苔本舗」の社長のインタビューを見ましたが、食品安全の観点から、この事態は許される話ではありませんが、両社とも反省して、憔悴した表情で気の毒にも見えました。
再発防止としては、まずは「海苔の裁断作業時」の「手袋着用」の徹底です。
ただ、「作業性が悪くなる」との理由で手袋をしていなかったので、比較的作業性の良い手袋に変えたり、裁断機に海苔を挿入する際に操作性の良い冶具の開発など、現在の作業方法や製造設備の見直しも併せて必要になるでしょう。
次に、委託業者の「食品安全教育」も東海屋はもっと強化、徹底するべきでしょう。
細菌やウイルスの恐ろしさなどリスクと管理について、実例を踏まえた教育をすべきです。
委託管理上は、おそらく作業者の健康チェックと記録はしっかりされていなかったかもしれません。
きざみ海苔工程の委託業者の作業者は「風邪の症状があったときがあった」と証言していますが、そもそも「風邪気味の時は作業に従事させること」自体、間違っています。
健康チェック記録をつけていれば、「製品回収ロット」はもう少し狭められたのではないでしょうか。
「素手で食品を扱う」といえば、私が思い出すのは、幼少のころによくお使いに行ったパン屋さんです。
そこでは、食パンを8枚切りとか6枚切りにカットしてもらって、1斤分を買ってくるよう親に頼まれたのですが、おばちゃん(子供にはそう見えましたが今考えれば、きっと20代ですね)は、赤ちゃんのおむつを交換している最中に、私が買い物に行くと、その手で、そのままよくパンをカットして袋詰めしていました。
幸いノロなど食中毒にはなりませんでしたが(笑)、2日ぐらいパンをすぐ食べずにおくと、よくカビが生えてきました。
そりゃそうですよね、おむつを交換したその素手でパンをカットして袋に入れているのですから。
当時は、親は、パン屋にクレームは付けずに「かびた部分をカットして、トースターで焼いて」食べていましたが、今の時代なら、保健所が入っていたことでしょう。
40年以上前の話ですが、ゆるやかな時代だったな、と思います。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ531号より)
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