2016年10月7日付の産経新聞によると、
(以下引用)
「視覚障害者にとって重要な「道」となる点字ブロック。
2020年東京五輪・パラリンピックに向け、より一層の整備が求められている。
だが、設置の仕方が統一されていない上、分岐点などで注意を促す「警告ブロック」が階段の手前になかったり、逆に横断歩道上に設置されていたりと、かえって視覚障害者を危険にさらす誤ったケースも散見される。
専門家は「東京五輪・パラリンピックを控え、積極的に視覚障害者に声を掛ける社会にすることが大切」と話す。」
(引用ここまで)
以前、ある大学教授が講師をされたランニング講習会に参加したことがあり、その際に、「参加者間の信頼感を高める」という狙いで、目隠しをして200mほど手をつないで伴走してもらったことがある。
講習会場は、ある公園で、その公園は何度も利用したことがある場所であったが、「目が見えずに走ったり歩くことが、こんなにも不安で恐ろしいことなんだ」と実感した。
その時以来、恥ずかしい話ですが、遅ればせながら、街で点字ブロックを見て、点字ブロックの上に自転車等障害物が置いてある光景を見かけると、どかす(ずらす)ようにするように心がけている。
目が見えない方にとって、公共の場に出てしまえば、介助者が居ない限り、頼りになるのは点字ブロックしかない。
記事によると、
◇日本に点字ブロックが誕生したのは、昭和40年代
◇平成13年に点字ブロックのJIS規格が定められ寸法や突起の配列などが定められた
◇全国各地にJIS規格で定められる以前の点字ブロックが残っている
◇設置の仕方についても国の基準があるものの、「大まかなことしか示していない
◇設置は施工する業者の自由裁量で行う部分が大きく、行政と業者の知識不足もある
◇設置の仕方はばらばら
だという。
びっくりしたのは、
「点字ブロックの設置方法がばらばら」
「施工は業者の自由裁量」
という現状である。
公共発注の建設工事の場合、図面を含む仕様書でこと細かに構造物の仕様はもちろん、施工基準もしっかり行政が定めた基準書がある。
しかし、点字ブロックについては、そのあたりが大雑把というのは、「えー?!」である。
公共発注の工事を請け負う施工業者の多くは、今の時代、国際規格である品質マネジメントシステム規格(ISO9001)を組織に導入し第三者機関に認証されている会社が殆どである。
当然、その規格の要求事項には、業務に必要な力量を担保することが求められている。
また、工事を進めていく中では、行政の段階確認もあるし、当然、完成検査もある。
しかし、発注者自体(行政)が、設置基準の知識が乏しいというのでは、施工業者がミスがあっても発注者が適切にチェックできないことになる。
そもそも国の施工基準が「おおまか」というのも驚きでる。
なぜそうなるのだろう??
勝手な想像でるが、
◇点字ブロックの規格はJIS規格で経産省
◇障がい者行政は厚労省
◇建設工事に関する基準書は国交省
といった関連する省庁がまたがることも原因のひとつではないだろうか。
目の不自由な方に対する社会全体の配慮やひとりひとりの想像力、助け合い精神といった点ももちろん重要ではあるが、国や自治体の現状も改善が急務だと思う。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ510号より)
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