燃費不正問題で市場からの信用失墜からの販売不振にあえぐ三菱自動車が、取締役に支給できる報酬総額の上限枠を3倍の30億円とする方針だという。

正式には、20161214日開催の臨時株主総会で決定するそうであるが、反対の声は少なく決まるだろう。

 

 

報道によると、 現状の三菱自動車の取締役の報酬総額は、96000万円だが、社外取締役を除く10人合計に実際に支払われた総額は、42300万円で、もちろん、1億円超えの報酬を得た取締役はいない。

しかし、1214日付で、日産自動車のカルロス・ゴーン氏が三菱自動車の会長に就任することは決まっており、日産自動車やルノーで得ている役員報酬額から想像すると、ゴーン氏ひとりで、今までの三菱自動車の取締役に支払われた役員報酬総額以上を得ることになるのかもしれない。

 

 

ちなみに、ゴーン氏は、2015年度に日産自動車から支払われた役員報酬は、107100万円で、ルノーからは約8億円の役員報酬を得ている。

その感覚からすれば、三菱自動車での役員報酬を加えると、3社総額25億円前後(私の予想)の報酬になるのではないだろうか。

 

 

ゴーン氏は、約20年前の経営危機に陥った日産のV字回復には大きく貢献した。

また、経営回復した日産がもたらす利益により、親会社のルノーにも経営面で大きく貢献したことは間違いない。

しかし、三菱自動車は、現在、経営不振と長年の組織の膿を出し組織改革の真っ最中である。

三菱自動車からの役員報酬が、どの程度になるのかわからないが、現状の役員報酬総額を大きく超えるようであるとするならば、その報酬金額の決め方は、消費者や市場、そして従業員の理解はとても得られるものではない。

 

 

そもそも、創業社長でないゴーン氏のような「プロ経営者」は、経営コンサルタントのようなもので、業績に応じて報酬額が決まるのはもちろん、その報酬の業績連動部分は、一過性のものだと思う。

 

 

例えば、役員報酬が、「定額部分」と「業績連動部分」があるとしたならば、役員報酬に関する業績連動部分というのは、業績をサラリーマンのボーナスのようなもので、定額部分の役員報酬を大きく超えるものではないと思う。

もちろん、サラリーマンでも、証券マンや運用トレーダーのように、業績が明確に対価として関連性がある場合はいいが、「業績=役員の貢献」という明確な図式にならない場合は、単純に業績が上がっているからずっと業績連動部分の報酬を得られる、というのもおかしな話である。

仮に、社内改革や見事な経営戦略などを発揮したというのであれば、「井戸を掘った人」には、株式を与えるなど別の方法で報酬を与えるべきである。

 

 

ゴーン氏に例えれば、ゴーン氏以前の日産の経営トップは、ゴーン氏ほど役員報酬をもらっていない。

経営危機から救った大功労者という点は評価するにしても、それから20年近く多額の役員報酬をもらい続けているというのは、おかしなシステムだと個人的には思います。

 

 

三菱自動車の会長職でゴーン氏が得る報酬額に注目してみたいと思う。

 

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