2016年10月26日に、「精神保健指定医」の資格を不正に取得したとして、厚生労働省は、過去最多となる医師89人の資格を取り消す行政処分をしたと各メディアが報じていました。
メディア情報によると、
◇不正取得した医師49人
◇指導医40人
が資格を取り消されるという。
精神保健指定医になると、
◇重い精神疾患の患者を強制的に入院させる措置入院の判断などができる
という人権にかかわる資格として重要な責務が生じるとともに、
◇一般の精神科医と比べ初診料などで診療報酬上の優遇がある
◇資格のの有無で年収が数百万円以上異なる病院もある
◇独立開業するには『ベテラン医師』とアピールしやすい
といったメリットがあるという。
資格取得は、ペーパーテストや実技試験はなく、書類審査だという。
書類審査で提出するレポートの条件は、報道によると、「自ら担当として診療に関わった症例に限る」そうであるが、不正取得者は、「自身が診療に十分かかわっていない患者を報告」といった方法が多く、言い訳として「カンファレンスに参加していた」「当直などで少し関わった」といった事例を報告していたという。
指導医の取り消しは、「症例報告の内容を十分確認せずに証明を示す署名をした」ということだそうだが、病院など組織の場合、病院側も要員として精神保健指定医を増やしたければ、安易に署名せざるを得ない状況も背景にはあったと思う。
厚生労働省は、資格取得にペーパー試験や面接を導入することを検討しているようであるが、個人的には、一長一短な気がする。
業務経験に基づき専門性が高い指定医は、ペーパー試験や面接を補助的に利用するのであれば、明らかな未熟者を排除することは試験を通じてできても、実際の業務遂行能力は、判定できないだろう。
ある症例を自ら中心となって担当することで、知識としての実力だけでなく、実際に直面する症例に対して適切な判断力が磨かれるものだと思う。
精神科医や精神保健指定医は、今後、需要が増えていくことは明らかな気がする。
国家資格に関しては、各病院にまかせるだけではなく、国策として精神保健指定医を増やすための場(症例)の確保などを国(厚労省)がやっていくべき問題ではないかと思う。
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