製造業の会社で、再発防止に対する取り組みについて、管理職のみなさんと雑談をしていたら、
「最近の若い人は、不良が発生すると、すぐに設備のせいにする」
という話を聞きました。
詳しく聞くと、装置産業や設備産業と言われる製造業では、安全管理や品質管理を追及していくたびに、設備が自動化され、設備の保全技術も上がり、ヒューマンエラーが自然と防止されるように設備や工程が改良されてきたため、製品不具合が激減したことで、製品不良が起きると「設備に問題がある」と考えがちになっているというのだ。
つまり、昔は、不良が発生する原因が多岐にわたっていたため、製造業なら、いわゆる「4M」のどこに問題があるか、原因追求能力が自然と高くなったというのだ。
ちなみに、「4M」とは、ご存知のように、
◇マテリアル(材料、副資材)
◇マン(人)
◇マシン(設備、工具、治具、計測器)
◇メソッド(手順)
の頭文字を現したもので、不良が発生した場合、この4つの観点で、不良の原因を探っていく方法である。
確かに、不良発生の要素が、工程改善が高レベルで進化を遂げた会社であれば、材料不良やヒューマンエラーの要素が減り、設備産業であればあるほど、「稀に発生した不良の原因は設備」と考えがちになるのかもしれない。
不良が発生すると、一般的には、セオリーとして、不良原因を追究し、再発を防ぐために、不良が発生した工程はもちろん、他の工程にも事例を横展開し、手順書の見直し、そして関係者への周知という流れになる。
しかし、この「手順書の見直し」も、「改善した方法論」だけを追記していくと、手順書が改訂される以前から業務に従事していた人は、改善した手順の意味が分かるが、「手順書が見直された後に会社に入った人」には、「なぜこのようなやり方になっているか」の背景がわからない。
そこで、手順書を見直す際には、「見直した手順の明記」だけでなく、「なぜこのような作業方法になっているのか」の背景(理由)も手順書内にめだつように「どーん」と明記することにしているという。
要は、背景を知らないと、「人は必ず楽をしようとして我流になる⇒不安全行動やミス発生につながる」という考えからである。
問題が発生した際はもちろん、常にさらに改善を進めて業務をスパイラルアップさせていくためには、「原因追求型人材」を常に育てていく必要があり、それがまさに、その会社の固有技術であり、伝承である。
「手順書には、方法論だけでなく、なぜ、そのようなやり方なのかを明記する」
ということは、固有技術伝承とさらなる改善を進めていくうえで、重要なことなのである。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ465号より)
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