2016年9月29日のNHKの夕方のニュース(シブ5時)を見ていたら、速報ニュースとして、
「豊洲市場の地下水から環境基準を超えるベンゼンとヒ素が検出された」
と報道されていました。
ニュースでは、
◇基準超の有害物質が検出されたのは、2014年以降の都の調査では初めて
◇専門家は「安全性に問題はない」とみている
◇今回が8回目の調査
◇都は盛り土のない現状について、専門家会議などに報告し対応を検討する
という。
ニュースを聞いたときは、
「なんで、過去7回の調査で基準超えがなかったのに8回目で超えたの?」
「いままでのモニタリング調査は適切にされていたの?」
「移転延期決定は8回目の調査が終了していないなどの理由だったが結果的に正解だったな」
「職員はまじめだから、公表内容と実際の事実が違うことが世間にバレた以上、開き直って正直ベースで事実をバンバン公表しだしたのかな」
「移転反対派やマスコミが勢いづくネタだな」
などと思った。
冷静に、事実を評価すれば、環境基準値を上回った、といっても、「いわゆる地下空間のたまり水」の調査結果ではなく、サンプリングした水は「地下水」であり、市場を開場しても土壌汚染対策がしっかりされ、排水システムが機能すれば、健康被害が出るレベルではない。
しかし、月並みですが科学的に「安全」であっても、感覚的な「安心」は弱い。
しかも、築地ブランドは世界的であり、
「食品安全が徹底された日本」
を世界にアピールする上では、築地の移転先である豊洲は、科学的に「安全です」だけでは、ダメである。
それから、9月29日に初会合が開催された「市場問題プロジェクトチーム」(8名)。
このプロジェクトの目的は、都のウェブサイトによれば、
「築地市場から豊洲市場への移転及び市場のあり方に関すること」
とあっさり書かれているが、こちらは「都政改革本部」が主催しているプロジェクトなので「豊洲市場の費用や設計、環境などを総合的に議論する場」という位置づけであろう。
「議論する場」なので、委嘱された専門委員が、それぞれの立場で意見をいうのはいいと思うが、委員のひとりで、東京大学建築学科出身の建築家佐藤尚巳氏の「(地下空間を)つくったのは英知」発言は、「建築家目線のみの発言で、現段階ではKY発言だったな」と思う。
多くの都民(国民)の関心事は、
「なぜ、事実と違うことが公表され続け、どの段階で地下空間の設計が決定されたのか」
である。
しかも、このPTは都政改革本部が主催だから、豊洲市場だけでなく、今後の都の行政活動のガバナンス機構やシステムをしっかり運営していってもらうために、これまでの問題点の原因究明と再発防止の議論がされるべきなのだ。
このプロジェクト(PT)の会合風景はネット中継もされており、今後の動向に注視したい。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ509号より)
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