小池都知事が、2016年9月12日の午前に、副知事ら都庁の幹部を集め、「都庁職員の粛正」を求めたという。
報道によると、小池知事は、
「都庁、都政にとって重大な局面であるということに鑑み、緊張感、責任感を持って当たってもらいたい」
「都民のお金だ。これだけ対応してきたのに一体何なんだという声も聞かれる」
などと述べ、これまでの対応を批判したという。
小池都知事が、これだけの怒りを職員に求めるのは当然である。
安全面の技術的な問題を、仮に除いたとしても、豊洲市場の敷地内の土壌の入れ替えと盛土をするという土壌対策案を2007年の専門家会議で決定し、ウェブサイトなどでも、都民をはじめ、国民や世界に「盛土工事の完了」を報告し、「豊洲の安全性」をアピールしてきた。
しかし、実際は、報道で明らかになったように、敷地内にある主要施設の下(敷地全体の約32%)は、専門家会議で決定された盛土(地下2メートルの土を入れ替え、その上に新たに土を2.5メートル盛る)がされていなかったのだから、小池都知事が、職員に対し施設の安全性確認や一連の経緯の調査に早急に着手するよう指示し、ウェブサイトで間違った情報公開をしている点は非常に大きな瑕疵だったと述べるのはあたり前であろう。
それにしても、2007年の専門家会議で、盛土を提言した専門家会議に諮ることなく、都が独自の判断で盛土をしないよう方針転換し、いわゆる「地下空間」の施工になったのはなぜだろう。
各メディアの報道では、盛土でも揮発性有害物質の対策案としては万全ではなく、いわゆる「地下空間」を作ることで、地下から上がってくる有害物質をモニタリングすることは可能になるという。
仮に、2008年の技術会議で、そうだということで、設計変更されたのであれば、2007年の専門家会議メンバーに諮問すべきであるし、そのような変更内容をきちんと公表すべきであった。
しかし、それを都はしてこなかったわけで、このことは、豊洲だけでなく、他の行政活動も「事実と違うことが公表されているのではないか」と勘繰られても仕方がないし、都民、国民の信頼を失墜させる事実である。
これで、豊洲移転に関しては、一部では「来年の2月頃」という憶測も出ていたが、さらにどんどんずれ込むであろう。
そのそのも延期は、環境調査の予定されていたモニタリングがすべて終了していないなどを発端にしていたが、公表されていた事実と大きく異なる施工問題により、土壌など環境問題だけでなく、耐震強度など安全設計にも影響が及び、その精査や施工のやり直しには、相当な時間がかかるだろう。
公表されてきた予算についても適切性にメスを入れることになるであろうし、これからの小池知事の手腕に期待である。
それにしても、都議会の最大派閥「自民党都議団」は、いったい何をしていたのだろう。
豊洲問題に関しては、共産党都議団が、世間が知りたいことをちゃんと調査(視察)しており、あっぱれ(というか都議として当然の責務)であるといえると思う。
【好評発売中!】
『ちょロジ ニュースで学ぶ7つの思考法』(パブラボ刊)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4434176552/bloglogcom-22/ref=nosim/
【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】↓
(パソコンでアクセスしている方)