「5S」は、社会経験がある方なら、もう一般常識になったといっても過言ではないだろうか。
ひと昔前であれば、サービス業系の会社に訪問して、ふつうに「5S」という用語を使って話を進めていると「5Sってなんですか?」と聞き返されたものであるが、今では、新入社員でもない限り、まずそれはない。
いまさらですが、5Sとは、
1)整理:要るものと要らないものを分けて、要らないものを捨てること
2)清掃:いつもきれいに保つこと
3)整頓:必要なものがすぐ取り出せて、かつすぐ戻せること
4)清潔:整理・清掃・整頓をずっと維持すること
5)躾(しつけ):決められたことをきちんと守ること
の頭文字(S)から名付けられている。
これも、ひと昔前の議論であるが、サービス業に行くと「うちは製造業じゃないから当てはまらない・・・」という反論もよくあった。
でも、これも、置き換えて考えればいいだけのことで、デスクワークであっても、書類や文具、OA機器は使用するし、パソコン内のデータ整理整頓という概念は当然ある。
これも、ご存知の人が多いと思いますが、
「整理、清掃、整頓」は「自分で能動的にやる行動」である。
「清潔」は、この「整理、清掃、整頓」をきちんとやっていれば、実質的には、行動としてはひつようなく、確認作業のようなものになる。
「しつけ」は、「整理、清掃、整頓」ができていなければ、それ以上のことを「しつける」ことは、まず無理である。
「習慣」や「節約」「スピード」は、5Sの先の段階で、5Sが継続的に実施されていれば、自然と進んでいくものである。
話は、ややそれますがテレビを見ていたら、サウジアラビアの約300の小学校では、日本の小学校や中学校、高校では「常識」である「生徒による清掃」を近年、習慣化したという。
一般的には、日本式の「生徒が教室内や廊下を清掃する」のは、世界的には例外で、清掃専門業者任せにしているケースが多いという。
テレビでは、「生徒が実施する清掃」を始めると、データとして、遅刻や欠席が減り、成績が上昇し、その上、生徒が街に落ちているゴミも自発的に拾うようになったという。
確かに、「清掃」を人任せにすると、汚したことを元に戻す面倒くささは、実感できない。
清掃することで、できるだけ清掃しなくても良くするためには、モノを大切に使う思考も芽生える。
ホテル清掃事業の会社の経営指導を実施したことがあるが、実際のホテルで清掃現場を拝見すると、日本人ビジネスマンが使用した部屋が一番楽で、観光で来た外国人利用者の部屋が一番、散らかっていて、清掃が大変だということがわかる。
変な話、部屋の関係で、シングルルームを予約しても、ツインルームのシングルユースとして部屋に通されることが多々あるが、日本人の場合、もう一つのベッドは、まず使用しない。
しかし、外国人は、もうひとつのベッドもおかまいなしに使用するのが常識だ。
上記のケースは、良い悪いの問題では決してないが、「清掃を自分でやること」で、整理や整頓、清潔の意識が生まれ、ひいては、しつけにもつながる。
環境問題の基本とされる「モッタイナイ精神」も「5S」を子供のころから計画的に教育していくことで、日常生活の当たり前の習慣となることは間違いないだろう。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ471号より)
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