2016315日、16日とテレビ朝日の報道番組「報道ステーション」の特集で、マーリンズのイチロー選手と野球解説者の稲葉篤紀氏の対談が放映されました。

その中で、イチロー選手が、興味深いことをいくつも発言していたので、紹介してみたいと思います。

 

 

 

《技術の深みが得られない》

・情報が多すぎてどれをピックアップしていいかという問題がある

・今はそういう時代、知識がありすぎる

・頭でっかちになる傾向がある

・全くミスなし(全く失敗しないで)でたどり着いたとしても深みは出ない

・単純に野球選手としての作品が良い物になる可能性が(僕はないと思うが)あったとしても、遠回りする事ってすごく大事

・無駄なことって、結局無駄でない

・遠回りすることが一番の近道

 

 

 

《持って生まれたからだのバランスを崩したらダメ》

・トラとかライオンはウエートトレーニングしない

・筋肉が大きくなっても支えている関節とか腱は鍛えられない

・だから重さに耐えられなくて壊れてしまう

 

 

 

《人体を理解すると動きとかトレーニングにだいぶ差が出る》

・僕もウエイトトレーニングを結構やった

・春先になるとスイングスピードが落ちる

・そういう失敗も毎年重ねて・・・67年は同じ事を繰り返した

・春先動けない→シーズン中痩せる→無駄な所が省かれてスイングスピードが上がる

=それが答え

 

 

 

《分かっていてもできないことはある》

・生まれ持った才能とか、努力では掴めないものがある

・(身体能力でいえば)足とか肩とか

・理屈でわかっていてもできない

・バッティングでいえば、グリップの位置とか

・胸が投手に見えたら負け

 

 

 

《ずっと続けていないと見えないものがある》

・僕は同じことずっとできる。このオフ日本にいた4ヶ月の間、ほぼ1曲を聞いていた

・(ずっと1曲を聞いていると)詞と歌っている人がマッチしないとか、だんだん見えてくる

・(ずっと見ることは)単純な作業だけど合理的考え方を持ってる人って省きがち

・だから見えないものもいっぱいある

 

 

 

個人的には、上記で紹介した「イチロー選手」の発言の中で、

「全くミスなし(全く失敗しないで)でたどり着いたとしても深みは出ない」

「理屈でわかっていてもできない」

という考え方が印象に残りました。

 

 

挫折を知らない人は、人間としての成長が無い、とか、人間の器が大きくならない、人間としての強さが無い、と言ったことが昔からよく言われますが、イチロー選手の考えもまさに同じでしょう。

「得られた技術や知識の深みは、最短距離で習得はできない、急がば回れである」

という考えは、同意です。

 

 

また、「理屈でわかっていてもできないことがある」は、もって生まれた才能やセンス、運といったものは、後天的に身に付くものでなく、その人に備わった能力である、ということを「天才イチロー選手」は、身をもって実感しているのだと思う。

 

 

よく、教育者は、「誰でも努力すればできる」的なことを、いいます。

もちろん、それを教育者が言わなければ、人間は努力しなくなってしまうし、凡人は、希望を見いだせなくなります。

だから「誰でもがんばればできる」と教え、信じ込ませるわけです。

けれども、現実には、もって生まれた才能は、誰しもあるわけで、スポーツに例えれば、誰でもぢょりょくすれば「そこそこうまくなれる」ことは明らかですが、「誰もが一流になれるか?」といったら、一流の人と同じ、いや、それ以上の努力をしても得られないものは必ずあるわけです。

だから、「この分野で活動するにはしょうがない」と割り切って、分相応の役回りを果たすか、あるいは、自分の中で他人より長けた分野の才能に早く気づいて、「天職」ともいえる分野を見つけて、そこで他人より実力を発揮するしかない、ということを早く理解することが大事なのでしょう。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ481号より)

 

 

【好評発売中!】
『ちょロジ ニュースで学ぶ7
つの思考法』(パブラボ刊)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4434176552/bloglogcom-22/ref=nosim/

【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】
(パソコンでアクセスしている方)