2016年7月7日付の日刊スポーツによると、
「中大は6日、陸上部長距離(駅伝)ブロックの主将と副主将が1年生に交代し、3日から新体制になったと発表した。主将は福岡大大濠出身の舟津彰馬、副主将は福島・学法石川出身の田母神一喜」
と報じていました。
「箱根駅伝ファン」なら、ご存知の通り、中央大学は現時点(2016年92回大会)で出場回数90回、優勝回数14回とともに歴代1位を誇る名門校である。
しかし、近年は本大会で翌年のシード校に入れないばかりか、予選会でもギリギリ通過を繰り返し、低迷している。
2015年に中央大学は創立130周年を迎え、今後10年間の「中長期事業計画」を策定しその中には、
「箱根駅伝で5年以内に5位、10年以内に優勝を目指す」
ことを目標に掲げている。
そして、2016年4月には、OBで、2時間8分12秒の初マラソン日本記録を有し、2010年東京マラソン優勝、2013年、2015年世界選手権マラソン代表の藤原正和氏(35)を監督として招聘している。
報道では、中央大学は、
「今回の改革は、全日本大学駅伝予選会の結果を受け、勝つことへの執着を持ったチームへの変貌を目指すためのものです。同予選会後、一番危機感を抱き動きだし、臆することなく発言のできる現1年生の意識の高さをチーム全体に波及させ、チームを変革することを目指した人選となりました」
などと説明している。
ちなみに、全日本大学駅伝とは、毎年11月に開催される「3大学生駅伝」(全日本、出雲、箱根)のひとつで、前年度の6位までプラス各地区の予選会を突破した合計27チーム(そのうち2チームは全日本選抜と東海選抜でオープン参加)で競われる駅伝大会です。
関東予選は6月18日に行われ、上位9校が全日本駅伝に出場できます。
中央大学は、17位と惨敗し、出場を逃しました。
この結果に危機感を持ち、「超異例の1年生を主将にする」という荒療治に至ったのでしょう。
1年生主将の狙いとしては、大学が発表した通りで、
「臆することなく発言のできる現1年生の意識の高さをチーム全体に波及させチームを変革すること」
でしょう。
私たちの世代の感覚では、いくら下級生の意識が高くても、練習メニューを決めたり、調子を落としている選手に気遣いをしたりと「精神的な負担」が重い主将を下級生、しかも1年生が務めることは、かなり困難、と思ってしまう。
しかし、イマドキの大学生は、上級生であっても「あいつら(下級生)の方が意識も能力も高い」と認識・自覚したら、プライドを捨てて、下級生の部活運営に従うことができるのかもしれない。
私の身近な経験では、私が大学卒業後に出身部活(クロスボウ射撃という競技スポーツ)の主将を下級生が務めたことがある。
ただ、そのケースは、上級生の部員が1人で、かつ、部活動に積極的でなく、2年、3年生部員が多かったため、という特殊事情であった。
なので、今回の中大駅伝部の「大胆な組織改革」は、組織マネジメント論的に、個人的には注目している。
会社組織であれば、年功序列が崩れはじめ、転職も昔より活発になった今、「上司が年下」「上司の方が業務経験年数が浅い」といったケースはよくある話である。
しかし、年功序列が当たり前の大学体育会系組織において、うまくいくのか、ある意味、壮大な実験だと思う。
今年の箱根駅伝の予選会など、今後の中大駅伝部の近況に注視していきたい。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ497号より)
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