最近は、
「褒めることで人は伸びる」
という考えが管理職教育を受けると必ず教えられることなので、
「叱るだけの上司」
というのは昔より減ったと聞く。
しかし、仕事でいろいろな方から話を聞いていると、まだまだ、
「褒めない上司」「けなすだけの上司」
というのは多いようだ。
「褒めることの効用」は、言わずもがなですが、
◇人間誰でも、人にほめられればやる気になる
ということが一番の理由でしょう。
もちろん、けなされて、「なにくそ、見返してやる」と奮起することもあるでしょうけれど、常に叱られていては、やる気は減退し、上司の顔色ばかりうかがうようになり、上司が気にいるようなことや無難なことしかしなくなるので、その部下自身の成長が阻害されるばかりか、組織としても、活性化していかないでしょう。
余談ですが、日本の場合、部下にきつく当たっても、部下は、自分に非があるとあると考えることが多く、そして、終身雇用制だから、部下は滅多なことでは会社を辞めない。
部下が、「こんな上司の元ではやっていられない」となれば、せっかく採用した優秀な人材が、じゃんじゃん辞めていくから、上司は「管理者としての能力なし」と捉えられる。
だから、上司も、部下が育つように工夫するが、辞めないから管理者として「ダメ」というレッテルが張られず、そして、真に優秀なマネジメント能力の高い管理者が育たないといわれている。
ただ、根っからの性悪上司ではないふつうの管理者の中で、「褒めることへの恐怖」を感じている人の理屈を聞くと、よく言われるのが、
「褒めてばかりだと調子に乗りそう」
「褒めることを意識しておだててしまいそう」
「褒めてばかりだと「自分はできる」と勘違いしそう」
と多くの人が考えている。
確かに、わからないでもない。
ただ、そんな時は、
「成功した時は、褒めると同時に、もっと工夫できた部分を気づかせる」
「頑張った結果、失敗した時は、労をねぎらい褒めると同時に、なぜ失敗したのか原因を気づかせる」
といったことをすれば、前記したような心配が起きることは少ない。
ある人から聞いた話であるが、日本人の思想は、勉強や努力によって、目標を達成できると考える。
つまり、10回のうち1回でも失敗すれば、自分の努力が足りなかったと反省する。
しかし、欧米人は、人は、不完全な生き物であり、だから過ちを防ぐためにルールや仕組みが必要だと考えている。
だから、短所を改善するより長所を伸ばせばいい。
したがって、10回のうち9回成功するなんてすごいことで、自分は褒められてしかるべきで、自分が悪いわけではない、と考えるそうだ。
「日本人はすぐに謝るけど、欧米人は謝らない」といわれる(実際にそうなのかどうかはわかりませんが)が、そのあたりも、前記したような「文化的な思想の違い」があるということを理解すれば、「あの人の立場ならそう考えてもしょうがないかな」となるのだろう。
要は、自分の育ってきた価値観だけで、ものごとを捉えると、腹が立ったり、軋轢を生んだりしてしまうということなのである。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ444号より)
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