労務費のコストダウンを図るために、企業は、請負契約や業務委託契約を進めている会社が意外と多い。
いわずもがなであるが、一般論として、企業側のメリットは、
◇健康保険や厚生年金、雇用保険等の保険料を負担しなくてよい
◇労働基準法が適用されない
(例:割増賃金の支払い、健康診断の実施、解雇予告の手続き、の適用義務がない)
◇容易に契約を解除することが可能
である。
もちろん、メリットがあればデメリットもあり、これも、一般的な事項を挙げれば、
◇企業に対する帰属意識が薄くなり、条件が合わなければ仕事が断られやすい
◇時宜に応じてさまざまな業務を依頼できない
◇業務ノウハウや技術が、企業内に蓄積され難い
◇幹部候補生が育ちにくい
といったことが挙げられます。
個人的には、とりわけ、「帰属意識の欠如」と「業務ノウハウや技術が蓄積されにくい」というのは、大きなデメリットだと思います。
変な話、「ある仕事」を遂行するにあたり、「社員」でも「業務委託」でも、本来は「仕事の依頼者である部門に相談したり、情報を伝達すべきこと」は、たくさんあります。
しかし、「何かを相談するとその手続きで余計に手間がかかる」とか、「相談したことによりその業務の不適任者として仕事が減る」といった理由で「自分だけでクローズ(事態を収束)できるよう丸く収めてしまう」ことが多々あるのだ。
社員であれば、まだ、「自分の会社をもっと良くしたい」という「愛社精神」という理由から「改善提案する」という発想が生じるかもしれないが、業務委託の場合は、「改善提案⇒委託外業務が増える⇒入手した情報を報告するのはやめておこう」という思考にどうしてもなる。
このように「業務委託した場合のデメリット」を述べると「業務契約にそれらの報告も義務として加えておけばいい」という対策を考える企業も多いが、これは全く無意味である。
やはり、そういった弊害をなくすためには、「改善提案」や「委託業務で得られた情報提供の件数や質」によって、支払対価等の評価を考慮するといった仕組みを作るしかない。
「そつなく仕事をこなしている(ようにみえる)」=「業務ノウハウが企業に蓄積されず業務改善も鈍化する可能性大」との認識に立たなければ、企業が業務委託を増やした場合のデメリットはどんどん大きくなっていくのである。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ408号より)
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