環境用語で「環境パフォーマンス」という言葉がある。

「環境パフォーマンス」とは、組織体が環境に関して配慮した活動を取った結果、どれだけ環境負荷を削減したかを、例えば、省エネルギーや天然資源の使用量削減、リサイクル率向上、汚染物質の削減といった「指標」で環境に対する「業績」を示しますが、これが「環境パフォーマンス」ということができます。


つまり、組織体が、事業活動に関する環境配慮を促進する上で、「環境パフォーマンス」を的確に把握し、評価することは重要、かつ、欠かせない。

けれども、「環境パフォーマンスの評価」に用いられる指標が組織体ごとに異なっていると、環境パフォーマンスを比較したり、評価したりすることは難しくなる。


そこで、国際標準化機構(ISO)では、環境パフォーマンス評価 のガイドラインを「ISO14031」として策定(1999年)し、現在は、2013年版が発行されている。


ちなみに、環境パフォーマンスを評価する上で設定する指標の目的は、3つある。

それは、

1)組織体内部における評価・意思決定に資する情報を提供すること

2)利害関係者(消費者、取引先、地域住民、株主、金融機関等)が、組織体の環境への取組を適正に理解し、評価するための情報基盤を提供すること

3)国、地方公共団体などの環境基本計画等の環境政策と、組織体の環境活動を整合させていくための共通の情報基盤を提供すること

である。


また、環境指標が備えるべき要件は、

◇環境にかかわる課題と適合していること

◇比較が容易であること

◇検証が可能であること

◇理解が容易であること

◇網羅的に内容を把握すること

である。


少し話はそれるが、組織体の環境への取り組みを評価する際に、「環境パフォーマンスは良いが有効性が無い」というような評価をするケースがある。

マネジメントシステムの用語としては、有効性は、「計画した活動が実行され、計画した結果が達成された程度」と定義されています。

この定義で有効性を考えると、パフォーマンスも計画した結果であることから、よく違いが分からなくなる。


イメージとしては、例えば、環境事例で考えると、「環境負荷は計画した環境指標をクリアし達成したが、クリアするために取った手段は環境法令に違反していた」というようなケースは、「環境パフォーマンスは良かったが有効性は無かった」といえるのではないかと思う。


組織の品質目標として「納期順守100%」といった目標を立てることがあるが、その場合、「納期は100%順守できたが、配送手段としてしようしたトラックは法定速度を上回っていたケースが多々あった」というような場合も「パフォーマンスは良かったが有効性は無かった」という事例になるのであろう。


つまり、組織体内部も、利害関係者も、「パフォーマンスを評価する場合、そのパフォーマンスを得る過程が適切な手段で実施されていたかどうか」も併せて確認することが重要なのである。

かつて「稼ぐが勝ち」という言葉が一世風靡したが「手段を択ばず」は、まずいのである。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ472号より)



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