ベネッセホールディングスの原田泳幸代表取締役会長兼社長が2016年6月25日付で退任するという。
(2016年5月11日付のITメディアビジネスオンラインより)
記事では、退任理由を、
◇「進研ゼミ」の会員減に歯止めがかかっていない(1年間で約28万人減少)こと
◇前期も最終赤字(最終損益が82億円)になったこと
◇これら会員減や赤字の経営責任を明確にするため
と捉えているようである。
ご存知のように、原田氏は「プロ経営者」として、アップルコンピュータ、日本マクドナルドホールディングスのトップを経て、2014年6月にベネッセHDの会長兼社長に就任した。
2004年の「マックからマックへ」(アップル経営者からマクドナルド経営者へ)の時は、世間をあっと言わせ、その後の日本マクドナルドの快進撃を指揮した。
最終的な日本マクドナルドでの原田氏の業績は、評価が分かれるところであるが、マクドナルドのトップに就任当初は、今では信じられない話となってしまった感があるが、「ハンバーガーの作り置き」を廃止したのは、まさに英断だった。
詳細は間違っているかもしれないが、当時のハンバーガーチェーンで、作り置きをしていなかったのは、モスバーガーとフレッシュネスバーガーぐらいだった気がする。
しかし、いまでは、「注文が入ってからハンバーガーを作る」、しかし、「殆ど客を待たせずに商品を提供する」、というサービスが、ファーストフードのハンバーガーチェーンの常識となった。
また、昔のマクドナルドの座席は、座り心地が悪かった。
これも、長居させないための戦略であったが、原田氏は、長居客も取り込み、100円マックを導入して、付け足し商品を充実させ客単価を上げた。
また、クオーターパウンダーなど割高だけど、ボリューム感満点の「まさにアメリカ発祥の食べ物」という商品開発もどんどん進めた。
それまで、私はあまりマクドナルドを利用する消費者ではなかったが、ボリューミーな商品がリリースされるたびに、「1度は食べてみたい」と楽しみにするようになった。
日本マクドナルドHDからベネッセHDへの「とらばーゆ」(今は死語ですね)した時もびっくりした。
しかし、多くの人の記憶に新しいが、トップに就任直後に、大量の個人情報流出事件が発生した。
進研ゼミ事業の立て直しを図るために、事業会社のベネッセの社長も兼任したが、この2年間で、経営状態は改善しなかった。
「結果がすべて」の「プロ経営者」であるから、個人的には、個人情報の流出問題は原田氏就任以前の問題であるから「不運」ともいえるが、退任は止むを得ないであろう。
私のような凡人であれば、「プロ経営者としていくつもの会社で業績を残したし、ふつうのサラリーマンの生涯年収の20倍(いや50倍、100倍ぐらいか??)は稼いだんだから、もう経営の世界からは引退しよう」と考えるが、きっと原田氏の手腕を買う大企業の株主や取締役会はあるのではないだろうか。
6月の退任後の原田氏に注目したい。
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