2016420日に、三菱自動車社製の軽自動車4車種で燃費を実際よりもよく見せるためにデータを改ざんしていたことを三菱自動車は発表した。

発表によると、テスト時にタイヤなどの抵抗の数値を意図的に不正に操作することで、実際の燃費よりも1015%程度に上乗せしていたという。


三菱自動車の不祥事といえば、2000年に発覚した、三菱自動車(乗用車部門とバス部門)のリコール隠し事件が記憶に新しい。

この事件では、三菱自動車は、約23年間にわたり、約69万台(乗用車系で約459000台、トラックで約55000)のクレーム情報を運輸省に報告せず、社内で隠ぺいしていたことが、運輸省への匿名の内部告発で発覚した。


今回の燃費データ不正に該当する車種は4車種で、約62万台が相当するという。

結果的には、2000年のリコール隠し事件で問題とされた社内体質は、根本から変わることはできなかったわけだ。


一般論として、「組織の不祥事」には大きく分けて2種類ある。
ひとつは、不具合や事故の再発や事件の発生の恐れが予見できたにも関わらず、業務管理が不十分なため、問題が必要以上に大きくなり、「社会問題と化してしまったケース」。

もうひとつは「動機、機会、モラル違反」の3点セットが揃った時に発生する「不正」である。



結論から言ってしまえば、前者は「仕組みが無くてダメな会社」で、後者は「仕組みがあってもダメな会社」だ。

このケースの場合、組織は、行き過ぎたワンマン経営、売上至上主義、成果主義などといった組織体質が不正に起因しており、表面上または形式的に「組織の経営管理の仕組み」をちょっといじったところで、哲学、理念、自組織の社会における存在意義などから徹底的に捉えなおし、鍛えなおさなければ組織は何も変わらない。


三菱自動車の2000年のリコール隠しと2016年の燃費データ不正は、もちろん、2種類の不祥事のうちの「不正」に相当する。

会見した三菱自動車の相川哲郎社長(61)は、東京大学工学部船舶工学科出身で、開発部門でekワゴンなどの軽自動車の新車開発に携わった方で、おとうさまは、三菱重工業で社長・会長職を10年以上務めたすごい経歴と家系の方である。


今回の燃費データ不正は、実験担当の部長が主導したとされているが、相川社長を含め、経営層は知らなかったのだろうか?

今後の原因究明と展開に注目したいが、世間の三菱自動車に対する目は一段と厳しくなったことは言うまでもないだろう。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ486号より)


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