新年度が始まりました。

「新年度」と聞いて、真っ先に思い浮かべるのは「入学式」です。

今年の入学式で注目を集めたひとつは、「東京工業大学」(以降、東工大)の入学式の「式辞」ではないでしょうか。


東工大といえば、超難関理工系国立大学です。

卒業生で著名な方は数多くいますが、例えば、経団連元会長の土光敏夫氏、元内閣総理大臣の菅直人氏、ノーベル化学賞を受賞した白川秀樹博士、経営コンサルタントの大前研一氏(修士課程)、評論家の吉本隆明氏などが卒業生として名を連ねています。


東工大の式辞が注目されたのは、今年から学長(三島良直学長)の式辞がすべて英語になったからです。

英語で式辞を行う理由は、「グローバル人材育成の一環」だという。

東工大では、今年度から留学しやすいように、4学期制を導入し、平成30年度までに大学院の専門科学の授業をすべて英語で行うそうです。


NHKのニュースでは、入学式を終えた入学性にインタビューしていましたが、英語での式辞に「気持ちが引き締まった」「世界に出ても困らないように頑張りたい」と概ね好評だったようです。


このように、東工大では、「世界で通用する人材の育成」を標榜していますが、それは三島良直学長の経歴にも関係しているかもしれません。

三島学長は、東工大で学士、修士を修め、カリフォルニア大学バークレー校で博士号を取得し、その後は東工大で教鞭を取られています。

学者としてのキャリアを積む中で、アメリカ留学の効用を実感しているのかもしれません。


ちなみに、日本の大学の式辞では、学長の言葉はあっても、大物ゲストの祝辞はあまり聞いたことが無いですが、アメリカの大学では、著名人によるスピーチが入学式であるそうで、例えば、


◇アップル社創業者のスティーブ・ジョブズ氏

2005年スタンフォード大学にて)
「いつか死ぬと覚えておくのは、何か失うと思ってしまう落とし穴を避けるための最善の方法です」


◇ハリーポッターシリーズの作者J.K.ローリング氏

2008年ハーバード大学にて)
「何かに失敗せずに生きるのは不可能です。生きてこない方が良かったというほど、用心深く生きていない限り。その場合は、最初から失敗しているのです」


といった名スピーチを残しているそうです。


日本の大学で特徴的な式辞はないものか、とネットでいくつかの大学の式辞を調べていたら、福島原発の影響に向き合っている「福島県立医科大学」の入学式で、菊地臣一学長が、201646日の入学式で、以下のようなことを述べていました。


(以下、式辞の一部を引用)

(前略)

「出来ない理由を考えるより、どうしたら出来るか」という考え方に頭を切り替えることです。これは、看護や医療のプロとしての基本的な考え方です。
自ら枠を勝手に決めると、それ以上は自分の能力を発揮できません。高い目標を先ず、設定して、それを達成するために、自分にできる全ての努力をそこに集中することです。枠は作るものではなく、結果として出来るものです。
臨床の現場では、その場面、場面で、全てが違います。人が居ない、モノが無いは、出来ない理由にならないのです。我々は与えられた条件の下(もと)で斗うしかないのです。

(後略 引用ここまで)


それにしても、東工大の三島学長は、201210月から、福島医科大の菊地学長は20084月から学長に就任していますが、毎年毎年、内容を工夫して入学式の式辞を考えるのも大変だろうな、と凡人の私は思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ484号より)


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