製造現場や建設現場などでは「安全パトロール」を実施している。

意義は、

◇安全で快適な職場づくり

◇労働災害の未然防止

であろう。

つまり、『異常な行動や異常な状態の特定と改善』がその意義といえるでしょう。


では、「異常とは何か?」を定義すれば、

『正常と規定した基準に対してそれが外れている状態』

と位置付けられるでしょう。

つまり、一般的には、「作業基準」「施設・機械装置の点検基準」「作業環境基準」「衛生基準」「行動基準」といった基準類で定めたレベルから外れていれば「異常」とするわけです。


「安全パトロールの方法」は、これも一般的ですが、事前に準備したチェック表で、

◇製造現場であれば工程に沿ってチェック

◇チェック時は上部から下部に向かってチェック

◇施設や機械装置、工具、脚立などの作業用資材のチェック

◇資材庫や薬品庫などのチェック

◇作業者の振る舞いをチェック

といった流れになるでしょう。


機械装置のように「異常」の基準が設定しやすく、誰がチェックしても判断が明らかなものはいいですが、そうでないもの、例えば「作業者の振る舞い」など定性的に「異常か否か」を判断する項目は、パトロールをする人による「測定誤差(チェックのばらつき)」をなくすために、パトロールする人のレベル合わせや複数のパトロール員で巡回するといった工夫も必要になります。


こうしてチェックした結果を効果的に生かすには、チェックした結果、「異常」が見つかったら、「なぜ異常が発生したのか」「異常の原因は何か」「作業基準などを見直す必要性はないか」といった観点で評価し、作業手順や基準などを改善していくことが重要です。


また、「安全パトロールは有効に機能していますか?」と問いかけると、「事故が発生していないことが有効性です」との回答が多いです。

もちろん、この回答は間違っていませんが、発注者や第三者機関の「安全管理に関する評価」がある場合は、この評価と自社で実施した安全パトロールの評価結果が整合しているか否かをチェックすることも「安全パトロールが有効に機能しているか否か」の評価判断基準になるでしょう。


ざっくりいえば「自社では問題なし」と評価していても「外部の人間が問題や改善の必要性があり」と評価していれば、「安全パトロール評価方法や項目、基準が自己満足レベル」になっている可能性があるわけです。

「自己満足レベル」の評価では、もしかしたら「確率的に事故が発生していないだけ」で「はたから見れば不安全で安心感の低いパトロール」になっているかもしれない、と評価し、「安全パトロールの方法や評価項目、基準自体の見直し」の必要性を検討するべきなのです。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ406号より)



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