リオデジャネイロ五輪アジア最終予選で、日本は、残念ながら出場権を逃した。
佐々木監督の退任が正式に発表されたことで、1-0で勝利した2016年3月9日の北朝鮮戦が、女子サッカーを国民に認知させた佐々木則夫監督のラストゲームとなった。
佐々木監督は、2007年12月に女子代表監督に就任し、11年W杯ドイツ大会初優勝、12年ロンドン五輪銀メダル、15年W杯カナダ大会準優勝と輝かしい結果を残した。
しかし、予選の全5試合が日本開催で、かつ、放送時間帯が夜だったので、すべてテレビ観戦したが、シロウト目線で、明らかにちぐはぐだった。
端的には、なでしこ得意のパスサッカーではなく、ロングボールを蹴りだすサッカーに代わっていた点である。
従来の「なでしこ」は、気持ちよいほど、パスがつながっていた。
けれども、パスミスも多く、相手に奪われるシーンが多く、観ていてイライラするシーンばかりだった。
予選敗退を受け、メディアでは、後任監督に関する報道が騒がしくなっている。
U-20などを率いる高倉麻子監督がおそらく、後任の代表監督となんるのであろう。
トップ(監督)を変えるということは、佐々木監督時代の8年4カ月に及ぶ長期政権下の中で生じた代表組織、指導方法、戦略戦術といった点の金属疲労解消は、一気に行われ結果として、良い結果を生むことになるかもしれない。
けれども、2015年のW杯で準優勝を遂げた佐々木監督のなでしこがここまで衰退してしまったのか、日本サッカー協会はもちろん、私たち国民も振り返って考えてみることは大事であろう。
2011年W杯優勝をはじめとして、日本国民を楽しませてくれた「なでしこ」に感謝しつつ、組織論的側面で、衰退原因を予測してみたい。
月並みですが、衰退原因としては、
◇情実人事
◇戦略ミス
の2つが大きいのではないかと考えます。
「情実人事」ですが、一般的には、情実人事とは、「能力のない人を、能力以外の理由引き立ててあげること」を指します。
2011年W杯メンバーの能力が落ちてきているのは、明らかでしたが、2015年W杯もドラスティックな代表メンバーの入れ替えはありませんでした。
実際、現場にいる選手同士がどう感じているかわかりませんが、佐々木監督のお気に入り選手が代表に選ばれていたとしたら、不協和音がチーム内に生じて、能力を最大限に発揮できなかったといえるかもしれません。
「戦略ミス」ですが、佐々木監督は、「4-4-2」という日本の布陣は、各国に研究されつくしていました。
しかし、2戦目の韓国戦ではぶっつけ本番で「4-2-3-1」を敷き、フォーメーションがしっくりこない状態で、同点弾を韓国に許してしまいました。
また、初戦のオーストラリア戦では、オーストラリアが「ロングボールを入れて、クロスで攻めてくる」と読んで、身長の高い山根選手をゴールキーパーにしていましたが、実際には、細かいパスワークでオーストラリアは攻めてきた。
前半戦で、想定とは全く違うオーストラリアの戦術に対して手を打つべきだったと考えますが、相変わらず、日本はロングボールを蹴りだすことに執着していました。
日本は、研究されつくしているから、対抗する戦略はもちろん必要ですが、選手の中で納得した理解なくやっても、機能しません。
新監督になれば、代表メンバーは一新されるでしょう。
しかし、今回の予選敗退を見れば、佐々木監督の長期政権による情実人事や戦略ミスといった点は「金属疲労」だと思います。
つまり、協会は、女子サッカーについて、佐々木監督に頼りすぎていたと思います。
男子で考えれば、勝っても負けても代表監督は、ワールドカップ周期の4年で交代します。
これだけ各国が相手を研究する時代ですから、組織論で考えた場合、サッカーの場合、4年周期で代表監督は交代するべきなのかもしれません。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ480号より)
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