びわ湖毎日マラソンの結果次第では、「大揉め」になると思われていたリオデジャネイロ五輪男子マラソン代表選考会でしたが、結果的には、陸連も、最低限のホッとする結果になったのではないでしょうか。
ご存知のように、リオ五輪男子マラソンの選考レースは、2015年8月の北京世界陸上、12月の福岡国際、2月の東京、3月のびわ湖であるが、東京が終わった時点で、有力候補に名乗りをあげたのは、福岡国際を2時間8分56秒で走った佐々木悟選手のみ。
有力選手が多数参加した期待された東京マラソンでは、高宮選手が2時間10分57秒で日本人トップと選考レースとしては低調な結果になり、びわ湖の結果次第では、「最大3枠の代表枠を使わない可能性もある」という発言も陸連幹部から飛び出していた。
しかし、スタート時点の気温19.8℃と冬のマラソンとしては高い気温になったびわ湖で、北島寿典選手が、2時間9分16秒で日本人トップの2位に入り、9秒差で日本人2位、総合4位に石川末広選手は入り、深津選手、丸山選手も5位、6位と2時間9分台(31秒、39秒)でゴールし、サブテンランナーが4人も出た。
気温が福岡国際、東京に比べて上がり、ペースメーカーの設定タイムが1キロ3分から3分2秒とされたが、そんな暑い条件のレースで、4人のサブテンランナーが出たことは、前回五輪のロンドン代表や前々回の北京代表、2004年のアテネ代表が、2時間7分台、8分台で選出されていることを考えれば、寂しい限りであるが「本番のリオ五輪対応(リオ五輪開催の8月は平均気温が22℃)」ということを考えれば、暑さ適性が高そうな北島選手と石川選手が出てきたことは、喜ばしいことであろう。
シロウト感覚では、マラソンに興味がうすい方でも、名前は知っている有力選手がたくさん出場した東京で、記録が低調で、知名度的にはかなり落ちるメンバー集結のびわ湖で、4人も日本人のサブテン(2時間10分切り)ランナーがいたことは、「びわ湖が走りやすかったのでは?」と思ってしまう。
しかし、客観的にどう考えても気温が高かったし、川内、中本、前田、バトオチル選手やアフリカ勢をはじめとした下馬評の高かった選手たちが撃沈していることを考えれば、北島選手や石川選手の9分台は偶然ではなく、実力であろう。
私も年齢面で見落としていましたが、男子4位(日本人2位)の石川選手(36歳)は、32歳で初マラソンを経験し、今回のびわ湖でフルマラソン6レース。
6レースは、びわ湖3、ベルリン2、東京1ですが、9分台が3レース、10分台が1レース、11分台が2レースとかなり安定した実績を出しています。
しかも、直近4レース中3レースが9分台です。
また、北島選手(31歳)は、2015年2月の延岡西日本が初マラソンで9月にシドニーを走り、いずれも2時間12分台で優勝。
今回は9分台で2位ですから、これまた、順位的には安定しています。
ちなみに、佐々木悟選手は、9戦して、サブテンは、2レースです。
マラソンを走ったことがある人なら常識ですが、夏に開催される世界陸上やオリンピックは、冬のマラソンとは別競技と言ってもよく、「暑さ適性は個人差がある」「冬の結果で夏の代表を選ぶのは参考程度にしかならない」という点を考えれば、リオ五輪の選考はほとんど揉めることなく、佐々木選手、北島選手、石川選手の3人で決まりとなるでしょう。
話は少し変わりますが、一発逆転を狙った公務員ランナーの川内優輝選手は、総合7位(日本人5位)の2時間11分台で「終戦」となりました。
私のような市民ランナーが論評するのは失礼ですが、川内選手のピークは、2013年2月の別大で中本選手と死闘を繰り広げたレースや2013年3月のソウル国際マラソンの頃だったなぁ、と思います。
川内選手は、「レースを練習代わりにするスタイル」で競技力を向上し、多くの市民ランナー(※私もそのひとりで、4シーズンで72本のフルマラソンを完走。平均すると年18本。ちょっと多すぎですね)に大きな影響を与えました。
しかし、やはり、「フルマラソンの本数が多かったことが、川内選手のピーク期間を短くしてしまった」ような気がしてなりません。
科学的根拠はないですが、マラソンのタイムを決める要素には原動力となる「体力」とピークを合わせる「調整力」があると思います。
川内選手は、月間走行距離が実業団選手と比較し少ないので、「週末をレースで強化し、日常はキロ5分~5分半のジョッグ」というスタイルが、「市民ランナーにも応用できる実力向上策」として受けいられてきました。
個人的には、基本的に、その考えは、間違っていないと思います。
ただ、やはり、ハーフマラソンまでならともかく、フルマラソンは、いくら勝負レースではない、といっても、レースとなれば「完全にファンラン」と割り切らない限り、少しペースを落として走ったところで、やはり、相当疲労がたまります。
このフルマラソンを走り切る体力は、「在庫」という考えがあるように私は思います。
つまり、レースが多いと、在庫を蓄えるいわゆる「体力の充電(在庫確保)」が追いつかず、肉体をすり減らして、疲労をどんどんためていっている気がします。
その状態で、レース前に少し調整したところで、体力がないなりの走りは調整でできますが、根本的に必要な体力は、在庫切れで枯渇してしまっており、走れば走るほど、タイムは落ちていくというスパイラルに陥ると思います。
川内選手は、まさに、そのスパイラルにハマっている気がします。
2014年12月の防府読売マラソンでは、2時間9分台を出していますが、その翌朝に、凍結した路面で足を滑らせ捻挫。
これ以降、川内選手の不調が始まっていますが、これも、体調回復に体力を使用し、その後もレースに出続けているので、体力の在庫ができないまま、全国各地からの大会オファーをこなしている結果になっていると思います。
川内選手は、2017年の世界陸上代表を、代表を目指して走る最後と位置付けて、第1線からの引退を示唆していますが、個人的には、1~2年充電して、体力を備えて、また、8分台、そして7分台の生涯ベストの走りを見せてほしいと思います。
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