スポーツ選手にとって「試合」は、晴れ舞台である。

つまり、「試合」とは、「練習で培ってきた技やパフォーマンスを最大限発揮する場である」という考え方が、従来の考え方である。


この考え方を、世間一般的に「変えた先駆者のひとり」は、マラソンの公務員ランナーこと川内優輝選手であろう。

川内選手は、言わずと知れた、埼玉県庁職員で、県立高校の事務職員である。

日常の練習は、出勤前等の2030キロほどの練習と週末のレースで、月間600キロ程度。

実業団のランナーは、月間1000キロというから、圧倒的に距離を踏んでいない。


しかし、川内選手の場合、フルマラソンは年間で1015本程度で、その他もハーフマラソンを中心にほとんどの週末がレースである。

つまり、ほとんどの試合(レース)という環境で、自分を追い込んで、能力を高めていく方法論を取っている。

「練習できないことは試合ではできるわけない」という考え方が、従来であったが、「練習でできないことを試合という環境で実現させる」という発想なのである。


川内選手によれば、「中1週空ければ、フルマラソンは十分に走れる」といい、実際、NAHAマラソンを走った2週後の防府読売マラソンで、2時間9分台で優勝している。

だから、2016年1月末の大阪国際女子マラソンで、2時間22分17秒の国内7番目の好タイムで走った福士加代子選手が3月の名古屋ウィメンズマラソンに強行出場する件について、専門家の多くが「無謀」と評する中で、川内選手は「評価」している。


川内理論でいえば、大阪国際女子から名古屋ウィメンズまで、中42日(6週間)あるし、福士選手は、ふだんの練習でも、30キロ走までしかやらない、というそういう点では「市民ランナーのような調整」であるから、問題なしである。

ただ、懸念されるのは、福士選手は怪我が多いタイプの選手であることだ。

報道では、この1年に疲労骨折を3回も経験しているという。

名古屋では、レース展開に応じて、例えば、高速レースにならなければ、途中棄権してもいいと思う。


川内選手と同じような考えの著名なスポーツ選手が、体操の白井健三選手である。

白井選手と言えば、自分の名前が付いた新技が3つもある。

白井選手も「試合で成長する」をコンセプトにしている。


通常、演技種目の場合、完成度が十分でない技は、試合では試さず、技の難易度をワンランク落とすのが普通だ。

やはり、失敗して、低得点に沈むのが誰しも怖いから試す勇気がでない。

しかし、それでは、成長できない、と白井選手は言う。

白井選手は、敢えて練習では完成度が十分でない技に挑戦することで、練習ではできなかったことを実戦という特殊な雰囲気の場の力を借りて実現させ、自分を高めるわけだ。


体操競技は瞬発系、マラソンは持久系競技とその特性は違うので、からだの疲労度、回復度など、選手によって個体差もあるので、すべてにおいて、当てはまるわけではないと思うが、「練習でできないことを試合でチャレンジして能力を高める」という発想は、「あり」であろう。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ478号より)


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