2016年1月31日に開催されたリオ五輪の代表選考会のひとつでもある「大阪国際女子マラソン」を沿道で応援しました。
結果は、ご存知の通り、3000m、5000m、ハーフマラソンで日本記録を持つ福士加代子選手が、2時間22分17秒という2位に6分以上の大差をつける見事なタイム(日本歴代7位)で優勝。
日本人選手が、2時間22分30秒を切るのは、2007年2月の東京マラソンで野口みずき選手が2時間21分37秒を出して以来9年ぶりだという。
しかし、福士選手は、リオ五輪最終選考会となる3月13日の名古屋ウィメンズマラソンにも出場するという。
報道によると、この「短期間での異例の出場」は「日本陸連の設定記録2時間22分30秒を切っても五輪確定を得られないため、“抗議”の意味も込めて決断した」ということらしい。
なぜこうなってしまったかというと、レース後に、日本陸連の酒井勝充強化副委員長が、
「名古屋でこれ以上の結果が出る可能性があるので決定とは言えない」
と有力候補にとどめる発言がある。
選考基準の詳細は省くが、「内定者」とする規定は、
「2015年8月の北京世界陸上の8位以内入賞者で日本人選手最上位1名」
としか明記されていない。
また、陸連が設定した「2時間22分30秒」の突破からの内定者は「最大1人」と規定されており、2時間22分30秒を突破した選手が名古屋で複数いて、かつ、福士選手の記録を上回る場合は、2位以下の突破者の中から、選考となるので、福士選手は、現時点では「有力候補者のひとり」でしかないわけだ。
私なりの解釈で、陸連の選考基準のコンセプトを考えると、
◇五輪が開催される夏場に強い選手を世界選手権入賞者から1人選ぶ
◇残り2名は、さいたま、大阪、名古屋の冬レースから総合的に選ぶ
◇ただし、さいたま、大阪、名古屋で設定記録突破者がいた場合、最上位者から1名選ぶ
ということになる。
要は、「夏に強い選手と設定記録突破者で2名、残りの1名は、さいたま、大阪、名古屋の日本人上位3位以内の候補者から総合的に判断して決める」ということになるのだ。
福士選手が所属するワコールの永山監督が、「名古屋も出させる」と決めたことは、
◆酒井発言に反発?
◆設定タイムを突破すれば即内定となると勘違い?
◆名古屋終了後の選考会で「独走して優勝した福士選手を評価せよ」という脅し?
◆選考委員や名古屋での有力選手所属チーム(ダイハツ、天満屋、第一生命など)へのけん制?
などが考えられる。
ただ、2016年2月4日に報道では、日本歴代9位(2時間22分48秒)で、2015年世界陸上北京大会で13位だった前田彩里選手(ダイハツ)が足の故障で、名古屋を欠場することになり、リオ五輪は絶望的になったというニュースが流れた。
このことにより、名古屋は、「高速レースにはならない」のではないかと思う。
前田選手は、名古屋出場を予定している選手の中ではスピード選手であり、設定タイム突破を狙ったペースが予想された。
そうなると、他の選手も対応してくることから「永山監督が想定する最悪シナリオ」の可能性があった。
しかし、前田選手欠場により、「さいたまで日本人1位の吉田香織選手のタイム(2時間28分43)を超えるペースでの優勝狙い」のレース展開になるだろう。
個人的には、福士選手は、リオ五輪を最後に引退、という噂もあるので、「日本記録を狙う」走りをしてもらえるなら「名古屋に出場してほしい」気はする。
なぜなら、暑いリオでは「勝負優先」となるわけで、記録狙いは絶対にできないし、リオ五輪後に、福士選手が「日本記録を目指して走ろう」というモチベーションがあるとは思えない。
だから、記録に挑戦するなら、今回の名古屋しかない。
ただ、リオ五輪でのメダルの可能性を考えれば、「果報は寝て待て」の態勢で、リオに向けて体力温存&故障リスク回避の方がいいのではないかと思う。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ475号より)
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