創業以来、50年余り増収増益を続ける寒天のトップメーカーである伊那食品工業。

この伊那食品工業の経営の基本は、「人を大切にする経営」、つまり、「人本経営」を方針として実践し、経営に成功している。


「人本経営=人を大切にする経営」を実践している企業に共通するのは、利害関係者(顧客、取引先、株主、社員、地域社会など)との絆が深い。

つまり、「社員に支えられている」「顧客に選ばれ続けている」「社会のために必要とされている」企業だから、経済環境の変化など、外的要因の変化があったとしても経営が持続可能なわけです。

伊那食品工業も創業から50年ですから、その間には、高度経済成長、オイルショック、バブル景気、バブル後の日本の景気低迷、リーマンショックなど数々の経済環境の変化があったわけですが、それに屈することなく、常に増収増益であり続けたということは、まさに、社会から必要とされる経営を続けてきたからでしょう。


人を大切にする経営を実践することが、これからの世の中においては、成功する会社といわれ、ポスト資本主義社会として人本主義社会が始まったという識者の方も多いようです。


人本主義のポイントは「社員のモチベーションを最大化すること」が経営の最優先課題となります。

資本主義では、「利益の最大化」が最優先課題でしたから「経営効率を上げること」が経営の方法論の柱となっていました。

したがって、「人本主義社会」では、資本力より、人間力が高い企業が顧客や取引先、地域社会に愛され、選ばれて行き、取り組んでいることに共感され、ひいては、利益を上げている会社より、社会への影響力を及ぼすようになるといわれています。

企業内部で最も変わる考え方は、人本経営の場合「労使関係」です。

使う側と使われる側と捉えると「上下関係」ですが、「パートナーシップに基づく同志関係」へと会社の組織体制が変わり進んでいくことになります。


職場の組織形成が使用者と労働者という上下の関係から、パートナーシップに基づく横の関係、すなわち「同志関係」へと職場の組織形成が進んでいくことになるでしょう。


私が以前指導したことがある某企業では、「クレド」(社員が心掛けるべき企業信条)を人本経営実践の手法としており、社内通貨制度「クレドポイント」を導入していました。

この制度で、社員同志が、発行された社内通貨であるクレドポイントを「いいと思った社員の行動に対してメッセージ付きで付与しあう」のです。

たまったポイントでは、ハワイ旅行などに交換できるそうです。


人本主義経営を実践している会社の多くは、利益率は低く、納税額は多いというケースも見られますが、社会から必要とされているので、外的要因に大きく左右されないというのがポイントです。

「自分のために」から「相手のために」の会社を作ることが社会から必要とされる企業づくりのキーといえるでしょう。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ453号より)


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