マラソンに特化した実業団チームがある。
通常、実業団の陸上チームといえば、事実上、企業活動の「広報部隊」を担っており、企業名を広める手段としては、トラックレースではなかなか知名度が広がらないので、やはり、「駅伝」が主戦場になる。
しかし、モスクワ(不参加)、ロサンゼルス、ソウルと3大会連続で日本代表になった瀬古俊彦氏(現DeNA陸上部総監督)が、マラソン選手を育てるには、駅伝のための練習をしていては強くならない、と断言されているように、マラソン主体の選手作りをしないと一流のマラソンランナーは育たない。
しかし、実業団は、企業イメージ向上という役割を担っているから、なかなかマラソン特化の取り組みは難しいのが現状のよう陀。
冒頭で述べた「マラソンに特化した実業団」とは、「お値段以上・・・」のCMで有名なニトリである。
ニトリ陸上部創設の趣旨は、
「誰もが親しむことのできるマラソンというスポーツを通じて心身ともに健康で豊かなライフスタイルを提案し、地域・社会への貢献を図ってまいります。
長期的な視点に立ち、世界で活躍できる人材の育成と「五輪でのメダル獲得」という大きな目標を持つ選手への支援を「マラソン」という形で体現することで、世の中の多くの人々のモチベーション向上に寄与することを目指します。」
(ニトリ女子陸上部のウェブサイトより引用)
http://www.nitorihd.co.jp/nitorun/
だそうである。
新聞報道によると、創業者で現在社長の似鳥昭雄氏(71)は、2016年2月21日付で代表権のある会長に就き、白井俊之副社長(60)が社長に昇格するという。
人事刷新の目的は、執行体制の若返りを図り、経営判断のスピードを上げるのが狙いだという。
おそらく、似鳥氏は、本業の戦略や商品開発、現場体制の整備は、新社長にまかせて、「ニトリ」という企業価値を高め、今流の言い方だと、社会貢献活動を推進する企業づくりを仕事の主体としていくのだろう。
そういう観点でいえば、マラソンの世界では、国民の誰もが知っているスターは、女子なら2000年のシドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子さん、男子なら公務員ランナーの川内優輝さん以降、スター不在である。
2015年4月に発足したばかりのニトリ陸上部の活動は、高い理念を掲げつつも、サポート体制を含め、創部の趣旨である「五輪でのメダル獲得」をとても狙える状況として運営されていないとも聞く。
社長を退任する似鳥新会長に、ニトリ陸上部のテコ入れの陣頭指揮を、真剣に取り組んでほしいと思う。
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